●Tyler Cowen, “Welfare and warfare”(Marginal Revolution, March 24, 2017) ・・・(略)・・・それと同時に、歴史にまつわる問いでもある。すなわち、アメリカ以外の地域において、福祉国家が戦争と足並みを揃えるかのようにして発展を遂げたのはいかにしてか、という問いだ。ヨーロッパにおける福祉国家の誕生は、19世紀後半のプロイセンに遡るが、そのきっかけは、フランスを相手とする普仏戦争(1870~1871年)を戦い抜く上で大量の人員(一般市民)を動員する必要に迫られたことにある。また、イギリスにおける福祉国家の起源は、ボーア戦争中に明るみになった、とある発見に遡る。従軍を志願した男性の多くが健康面に問題を抱えている(それゆえ、兵士として不適格である)ことが兵役検査で判明したのだ。とは言え、第二次世界大戦がはじまる前までは、政府が保健