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ブックマーク / brevis.exblog.jp (21)

  • 物流は本当に付加価値がない業務なのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    先週の5月26日に、「アジア・シームレス物流フォーラム」https://mf-p.jp/aslf/ のパネル・ディスカッションに参加してきた。このフォーラムは日マテリアルフロー研究センター(JMFI)が主催する展示会で、国内外の大手物流関連企業が集まっている。コロナ禍が過ぎて3年ぶりにリアル展示となり、来場者数も多くかなり盛況だった。物流関係の催しなので、サイトの読者からは縁遠いかと考え、とくにお知らせもしていなかったが、SCMの関連テーマもあり、広報すべきだったかもしれない。

    物流は本当に付加価値がない業務なのか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • エンジニアリングを再設計する | タイム・コンサルタントの日誌から

    エンジニアリング会社で、それなりに長い間、働いてきた。昨日、4月1日は入社式の日だ。自分のときもそうだった。考えてみるとずいぶん昔のことだが、なんだか、ついこの間のようにも感じる。 率直に言うと、同じ会社でこんなに長く働くとは思っていなかった。エンジニアリング会社は受注産業だ。仕事が取れなくなれば、すぐに倒産する。入社したときに、「この会社は3年もつだろうか」と思ったことを記憶している。 長く働く間に、わたしも人並みに「よそに転職しようか」と思わなかった訳ではない。だが、製造業にも建設業にも、コンサルティング会社にもIT企業にも転じなかったのは、やはり「エンジニアリング」という仕事に、それなりにこだわりをもっていたからである。

    エンジニアリングを再設計する | タイム・コンサルタントの日誌から
  • プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「日企業は、計画しすぎなんです。」——最近、ある外資系戦略コンサルタントから、こんなセリフを聞いた。いわゆるDXに関する話題の時だ。「計画して、それも細かく緻密な計画を立てて、石橋をたたくようにリスクを全て洗い出してから、はじめようとします。そして動き出したら、すぐ進捗率を問題にする。でも、そんなやり方では、イノベーションは動きません。」 たしかにまあ、日企業、とくに製造業は、まず計画ありきで動いていると言ってもいい。年度計画(いわゆる「予算」)、月度計画、小日程計画・・。建設業も、似たところがある。全体工程表、月間工程表、週間工程表、等々。現場に行くと、計画表は、必ず目立つ位置にはり出してある。 だが、新しいビジネスモデルを創出するような、イノベーティブな試みは、目指すべき目的地が最初から決まっている訳ではない。登るべき山の頂が明確なら、アプローチの経路を地図の上に引き、どこまで登っ

    プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 論理的だが、システマティックでない人 | タイム・コンサルタントの日誌から

    (「考えるヒント」 2003/04/18 より) 私はシステム・アナリストです、と自分の仕事を紹介することが多い。アナリストという言葉を知らない人もいるから、私はシステム・エンジニアです、と言うこともある。両者は別物なのだが、それで相手はなんとなく分かった気になってくれるらしい。 そして、おきまりのように二つの質問をされる:「コンピュータのことにお詳しいんでしょう?」と、「システム関係のお仕事の人は、論理的でシステマティックな考え方を身につけておられるんでしょうね」と。 私の答えは、じつはどちらもNOである。率直にそう答えると、たいてい相手は落胆するか怪訝な顔になる。そこには、世間の人が抱いている『システム的』なるものへの偏ったイメージ、ないしは大いなる誤解が隠されているのだろう。 まず最初の質問の方だが、私はたいしてコンピュータに詳しくない。平均的な人より多少は知っているかもしれないが、

    論理的だが、システマティックでない人 | タイム・コンサルタントの日誌から
    wushi
    wushi 2021/05/08
  • 危機における技術のマネジメントとは | タイム・コンサルタントの日誌から

    「どうだ、状況は?」 「かなりヤバイ。温度が上がってきている。液面も落ちてきた。」 「困ったな。一番の問題は容器内の圧力だろう。今どれくらいある?」 「計器のトラブルでよく分からないんだ。表面温度から見てたぶん7~8気圧くらいになってる」 「設計圧力は?」 「4.5だ。5や6くらいまでなら持つ自信はある。でも8となると、正直厳しい。」 「時間との勝負だな。安全弁をふかせるしかないか。ポンプさえきちんと回せれば抑え込めるはずなんだが。」 エンジニアは、こういうしゃべり方をする。ちなみに、上の会話は創作である(念のため)。エンジニアの会話は、数字と見込みと判断と、そして感覚からなっている。これは、科学者や、役人や、政治家や、法律家の話し方とはずいぶん違う。科学者は「ヤバイ」という言葉遣いはしない。科学者は論理的に確実なことしか言わないし、論理的でないことを言えば、科学者でなくなってしまう。政治

    危機における技術のマネジメントとは | タイム・コンサルタントの日誌から
  • パン屋問題の解決、または中小製造業の生き残る道 | タイム・コンサルタントの日誌から

    あなたは町のパン屋さんである。以前は都会でエンジニアとして働いていたのだが、やむを得ぬ事情で郷里のパン屋を継ぐことになった。店は昔ながらの商店街にあり、店の奥では職人が小さな工場(こうば)でパンを焼いている。ところで、地域のチェーンストアからサンドイッチ製造の仕事を依頼されたのだが、受けてみたら大変な仕事だった・・という事情までは、前々回の記事「下請け型受注生産という日的形態を考える」https://brevis.exblog.jp/28051644/ に書いた通りだ。 何が大変かって? チェーンストアは、コンビニの向こうを張って、いわゆる「JIT納品」(ジャスト・イン・タイム納品)を要求してくる。1日4回、FAXで注文が来て、2時間以内に納品しなければいけない。おまけに製造後6時間以内の品であること、という鮮度指定もついている。ところが注文を受けてからカツを揚げてサンドイッチを作ってい

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  • ひとはなぜ、同じ話を繰り返すのか

    10代の頃読んだスタインベックの短編に、同じ話を孫たちに何度も繰り返すお爺さんの物語があった。西部開拓時代の生き残りであるこの老人は、駅馬車がインデアンの攻撃にあった時、どう防ぐかという持論を、たまに会う息子や孫に、繰り返しするのだった。 年寄りはなぜ、誰に何を話したかを、覚えていないのだろう? 10代の頃は、そう思った。さて、それから長い月日がたって、自分が《若い衆》に何か話す側になると、なんだか同じ話を何回もしているような気がする。 とくに、大学で授業を持つようになってからは、その印象が強くなっている。まあ、いたし方ない面もあるが、「この話、前にもしたな」と感じる。それがいやなので、講義内容は毎年少しずつバージョンアップするようにしているが、それでも部分的である。

    ひとはなぜ、同じ話を繰り返すのか
  • 生産マネジメント手法の系譜を考える(1) | タイム・コンサルタントの日誌から

    「ぼくら、生産管理について、少し勉強したいと思っています。ただ、どこから手をつけていいか、よく分からなくて。教科書もあるような、ないような、Amazonとかで探せば、山のように候補は出てくるんですが、どれが良いのか迷ってしまいます。また逆に、自分たちの社内にはあまりそういう資料はなくて。」 --なるほど、生産管理の勉強ですか。皆さんは受託開発のシステム・インテグレーターにお勤めですね。すると、製造業向けのシステム開発に取り組まれるんですか。生産の実務を知っているITエンジニアは少ないので、勉強されるのはいいことですね。 「いえ、少し違うんです、佐藤さん。たしかにぼく自身は今、製造業向けの仕事をしていますが、業務分野は会計システムですし、他のメンバーも、製造業はあまり経験がないんです。ぼくらの勉強会は、しばらくプロジェクト・マネジメントについて勉強してきました。ご存知でしょうが、ITプロジェ

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  • 生産マネジメント手法の系譜を考える(2) 日本型生産思想のあり方 | タイム・コンサルタントの日誌から

    --そうです。それまで中東アラブ諸国の原油生産は、事実上、欧米の石油メジャーが支配しており、バーレル$3の超安値で、原油を欧米に輸出していました。しかしイスラエルとの中東戦争に端を発し、ナショナリズムに目覚めた各国が団結し、輸出を止めると脅したので、原油価格は$10以上にはね上がったのです。それが、アメリカの製造業にどう影響を与えたと思いますか? --たしかに、それもあります。でも、一番影響を受けたのは、消費者の側でした。米国の自動車市場で、それまで常識だった、安いガソリンを湯水のごとく消費する、大型のアメ車に頼ったライフスタイルが、ピンチに瀕しました。消費者はやむを得ず、燃費の良い中小型車に目を向けることになります。その市場に入り込んできたのが日車でした。そして、またたく間にシェアを伸ばしていった。

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  • どうどう巡りの議論を避けるために | タイム・コンサルタントの日誌から

    1.「どうどう巡りの議論」、その症状と原因 前回は、ビジネス上の『議論』の価値について,少し考えてみた(「議論の品質を問う」 https://brevis.exblog.jp/27375732/2018-07-04)。ところで、わたし達が仕事において行う議論は、しばしば、どうどう巡りに陥る傾向があるように思われる。これが、ビジネスにおける議論や会議を、「時間のムダだ」と感じる原因の一つなのだろう。具体的に、どんなことが起きやすいか、考えてみよう。 「やっぱり、××なんじゃないの?」−−たとえば、これがよくある症状の一つである。あるテーマが議題にあがる。「○○という課題があるが、××かもしれないな」という風にはじまる。そして皆で、さんざん議論する。そのあげく、派生して出てきたいろいろな意見は結局、全部否定され、最初の××という意見へ回帰してしまう。じゃ、あの議論は何だったんだ? と大方の人間

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  • エンジニアリングと技術とインテグレーションと | タイム・コンサルタントの日誌から

    以前、「英国史上、最も偉大な技術リーダーに学ぶべきこと」https://brevis.exblog.jp/24622591/(2016-08-28)と題する記事で、イザムバード・ブルーネルのこと書いた。19世紀前半のイギリスで活躍した、傑出した技術者だ。たまたまロンドンに来る用事があったので、ブルーネルが作ったパディントン駅を見た。とても美しく、かつ機能的な、優れた建物である。改良の手は入れているだろうが、建築物としての骨格は、おそらく最初のままだと思われる。実物を見て、あらためてブルーネルという人の天才的なセンスを感じた。 そのパディントン駅から多少歩いた公園・ハイドパークの南側に、「アルバート記念碑」が立っている。大英帝国の最盛期を作ったビクトリア女王が、亡き夫君のアルバート公を記念して建造を命じた、巨大なモニュメントだ。こちらはネオ・バロック様式で、すごく美的だと思うかどうかは、見る

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  • わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    旅先ではいつも、その土地のものをべるのが習慣だ。だが、ときおり、外国で日料理屋に入ることもある。そして、たまに面らうような体験もする。いつだったか、アメリカの日料理屋で事を頼んだら、まっさきに味噌汁だけが出てきた。ふつうの街にある店で、来客はアメリカ人が多い。どうやら彼らの概念では、味噌汁はスープだから(Miso soupとよばれる)、真っ先に出すのが当然だということらしい。味噌汁を飲み終えたら、メインのおかずとご飯が出てきて、妙な気分だった。 汁物をsoupと訳するのは、もちろん正しい訳だ。だが日語で言う汁物と、英語スープは微妙に違う。たとえば英語では、スープべる(eat)という。日人で、「味噌汁をべる」という人は滅多にいるまい。ふつうは飲む、を使う。そして、当たり前だが、ご飯と一緒にいただくものだ。

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  • プロジェクト計画のロジックとは何か 〜 やはりExcelで工程表を書いてはいけない (2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    前回の記事「ダイレクト・ガントチャート方式の問題点」http://brevis.exblog.jp/26231556/ で、世間ではそもそも「WBS」とか「Activity」という概念のレベルで、誤解や混乱があると書いた。 たとえば、WBS=「ガントチャートの線表に引いた線の集合」だ、と理解している人達を、よく見かける。ためしにネットで、「WBS スケジュール」の2キーワードで検索をかけてみると、よくわかる。上位の検索結果に、こういう説明が出てきたりする:

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  • ダイレクト・ガントチャート方式の問題点 〜 やはりExcelで工程表を書いてはいけない (1) | タイム・コンサルタントの日誌から

    このほど、自分で「マイ・ベスト・セレクション」なるを編んでみた。過去17年間に書いてサイトに公開した数百の記事の中から、自分が気に入っているベスト12を選んで、ePub形式の電子書籍をつくってみたのだ。まあ書籍といっても、素人のつくった手製(手編み?)ので、いってみればβバージョンではある。ベスト・セレクションの中には、アクセス数の多かった記事も入れたが、目立たないけど愛着のある記事も選んだ。多少は文章に手を入れたつつも、なるべく発表当時のスタイルを残している。 ところで、わたしのサイトには、アクセス数で言うとダントツ1位の記事がある。「Excelで工程表を書いてはいけない」(http://brevis.exblog.jp/9052344/)という、2008年11月24日の記事だ。もう9年前の記事だが、いまだに毎週のBlog記事ランキングのトップに位置し続けている。 そして、実を言うと

    ダイレクト・ガントチャート方式の問題点 〜 やはりExcelで工程表を書いてはいけない (1) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 天の時・地の利・人の和と、プロジェクト | タイム・コンサルタントの日誌から

    プロジェクトに関わる仕事をずっとしていると、プロジェクトの成否はプロマネの手腕やチーム員の努力だけでなく、「天の時・地の利・人の和」とでも言うべき要因によって左右されがちだ、と感じることがある。いわば、プロジェクトの出発点における環境条件である。こうした環境がプロジェクトのパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、まだ十分に解明されていないように思う。 プロジェクトのスタートするタイミングは、さまざまな形でパフォーマンスに影響する。端的には、マーケットの状況だ。市場全体が活況を呈しているかどうか。受注型プロジェクトの場合なら、契約金額が上昇気味かどうか? これは、プロジェクトの採算性にとって重大である。また、外部に発注するリソースや資機材の値段が上がりつつあるか、どうか。これも採算に影響する。 こうした全体的な市況は、プロマネ自身が勝手に選べるものではない。まったく同じ前提条件ではじめて

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  • PMの世界はどこに向かうのか 〜 PMI世界大会2017に参加して | タイム・コンサルタントの日誌から

    米国で10月28日から30日まで開催された、PMI Global Conference 2017 https://www.pmi.org/global-conference/about というカンファレンスに参加してきた。PMIはProject Management Instituteの略で、ご存知の方も多いと思うが、米国発・世界最大のプロジェクトマネジメント専門職団体である。全世界に40万人以上の会員を擁し、通称「PMBOK Guide」(正式名称"A Guide to Project Management Body of Knowledge")と呼ばれるPMの標準書を制定、さらにProject Management Professional(略称PMP)という資格試験認定制度を有している。世界で最も影響力の大きなPM関連団体だ。 そのPMI Global Conference(長いので

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  • マネジメント・テクノロジーを考える場にようこそ | タイム・コンサルタントの日誌から

    新サイトの目的は、マネジメント・テクノロジーのための情報源とすることである。そのために、2000年4月からずっと開設運営してきたわたしのサイト「革新的生産スケジューリング入門」のコンテンツを、全面的に移行した。SCM・BOM・PMITなどに関わる数百の記事がある。これに加えて、個人的に書いてきた「気まぐれ批評集」なども移してある。 このサイトは、近いうちに、マネジメント・テクノロジーを学ぶコミュニティのためのプラットフォームとして、拡張していきたい。現在、わたしが主宰している『プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会』の「PM教育分科会」では、世に類例のない新しいタイプのPMトレーニングを開発中である。これに関連するフォーラムや、e-Learningなどを今後、立ち上げたいと考えている。とはいえ、こちらはまだ構想段階なので、現時点ではわたしの個人コンテンツ集の体裁になっている。

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  • 人材配置・昇進のレベル0からレベル2まで | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしが主宰する『プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会』では先日、「プロジェクト・マネジメントの1日研修トライアル」という催しを開いた。これは、わたし達の研究部会の中にある「PM教育分科会」というグループが、オリジナルに開発中の研修プログラムについて、希望者を募って“βテスト”を実施したものである。参加者がいるか心配だったが、幸いにも10数名の方が申し込まれ、休日を丸一日つかってわたし達の研修プログラムを体験し、有用性を検証していただいた。 その内容はまだ開発中のため、ここで詳しくは述べないが、社会人向けの、初中級者レベルのコースとして設計したものだ。もちろん世の中には、すでに多数のPM研修がある。だが、その多くはPMBOK Guideなどの知識を座学で学ぶ、資格試験対策である。あるいは逆に、ケーススタディの討議中心で、しばしばプロジェクトの火消しなどの題材を扱っている。だが、そも

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  • マネジメントのレベル0からレベル2まで | タイム・コンサルタントの日誌から

    九州・佐賀県の唐津市。玄界灘に面した市のはずれに、名護屋という場所がある。Google Mapの航空写真で見ると、緑の多い、人家の少ないのどかな土地だ。かつてここに、一里四方の広さを持ち、10万人以上が居住する一大都市が、ごく短期間だが存在していたことを知る人は少ない。 その都市をつくるよう命じたのは、太閤秀吉である。彼が晩年、大陸支配をねらった戦争(後に文禄の役とよばれることになる)をはじめるにあたり、出陣の基地としてこの名護屋港を選んだのだ。彼は全国の諸侯・武将に、この辺鄙な港へ集結し、各人の負担をもって、都の聚楽第に遜色がないほど豪壮な城と館を築くよう言い渡した。そして数万の人力を投入し、半年ほどの短期間のうちに完成させた。 全国の大名武将たちは、たとえ些細な手落ちでも関白に訴えられ、無能者として俸禄を没収されかねないので、「自ら家臣を率いて森や遠方の山に出かけ、材木を切ったり、城壁

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  • 技術リーダーの出現をはばむもの | タイム・コンサルタントの日誌から

    「最近の日の経済はどうですか?」——外国人と事をしていると、よくたずねられる話題だ。先週、北米の関連会社から来たエンジニア事していた時も質問された。またその前の週にも、フランスで開かれたPM関係の国際シンポジウムの夕会で、隣り合わせた顔見知りに、まったく同じ事をきかれた。彼は米国のビジネススクールの学部長だった。反対側に座ったインド人(彼は豪州の大学教授だったが)も、興味深そうに聞き耳を立てる。米国もオーストラリアも日から見れば隣国のようなものだが、こちらの発信力が低いせいか、日の状況はさっぱり分からないらしい。わたしは答えた。 --良くないよ。GDPは成長どころか、じり貧だ。株価は一応保っているけど、最近の報道によると、日銀と政府系の年金基金はなんと、上場企業全体の7%もの株式を買って持っているらしい。つまり買い支えているわけだ。 その問いに答えるのは、簡単ではない。経済学

    技術リーダーの出現をはばむもの | タイム・コンサルタントの日誌から
    wushi
    wushi 2016/09/07