2型糖尿病の治療に使用される薬剤として、合併症である腎機能低下の進行予防効果が確認されているのは、レニン・アンギオテンシン系の抑制剤以外には、尿にブドウ糖を排泄する働きを持つ、SGLT2阻害剤のみです。GLP-1アナログも、近年その評価が非常に高く、心血管疾患の予後を改善し、健康寿命を延長する効果も期待される薬剤です。 ただ、その腎機能低下を合併する患者さんへの有効性については、まだ精度の高いデータは限られています。 そこで今回の研究では、世界38か国の387の専門施設において、2型糖尿病と慢性腎障害を合併している患者、トータル3533名を患者にも主治医にも分からないように、くじ引きで2つの群に分けると、一方はGLP-1アナログの注射薬であるセマグルチド(日本の商品名オゼンピック)を、週1回0.25mgからスタートして、問題なければ週1回1.0mgまで増量。もう一方は偽の注射を同じように使