2000年以降の自民党政権で官房長官を務めた元政権幹部が中国新聞の取材に対し、国政選挙の候補者に陣中見舞いの現金を渡す際に内閣官房報償費(機密費)を使ったと証言した。機密費は国の施策推進のために予算化され、機密を理由に使途は公表されていない。選挙への使用は目的外使用の可能性があり、元官房長官は不適切な支出だったと認めた。専門家は「外部チェックの仕組みを取り入れるべきだ」としている。
2019年の参院選で自民党の選挙対策委員長だった甘利明衆院議員(74)が、宮城選挙区の同党公認候補だった愛知治郎元参院議員(54)の応援で同選挙区に入った際、愛知氏の後援会幹部に現金100万円を渡していたことが13日、愛知氏らへの取材で分かった。 <関連記事> 【解説】政策活動費、選挙の裏金に流用か 放置は許されない 政策活動費って何? 使い道不明なまま【イチからわかる】 河井元法相メモ、甘利100は本人認める「陣中見舞いで届けた。党からのお金だった」 甘利氏は、同じ参院選の広島選挙区で大規模買収事件を起こした河井克行元法相(60)にも現金100万円を提供。党の資金を使って全国各地の同党公認候補側に陣中見舞いとして100万円を配ったと、中国新聞の取材に説明していた。
2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、検察当局が20年1月に河井克行元法相(60)=服役中=の自宅を家宅捜索した際、当時の安倍晋三首相をはじめ安倍政権の幹部4人から現金計6700万円を受け取った疑いを示すメモを発見し、押収していたことが7日、関係者への取材で分かった。検察当局は、元法相が広島県内の地方議員や後援会員に現金を配り回った買収の原資だった可能性があるとみて捜査していたという。 【関連記事】メモ魔の記録「総理、すがっち、幹事長、甘利」 政権中枢の4人、案里氏を全面支援 【関連記事】二階氏、提供否定「案里って何者よ」 【関連記事】甘利氏「100万円は陣中見舞い。他にも一律に」 【解説】政権の闇、解明欠かせず 関係者によるとメモはA4判。上半分に「第3 7500万円」「第7 7500万円」と書かれ、それぞれ入金された時期が付記されている。その下に「+(プラス)現金67
カナダから広島市に帰郷している被爆者サーロー節子さん(91)は21日、中区で記者会見し、3日間の日程を終えた先進7カ国首脳会議(G7サミット)について「大変な失敗だった。首脳の声明からは体温や脈拍を感じなかった」と残念がった。 サミットでG7首脳は初めてそろって原爆資料館(中区)を訪れ、被爆者とも対話した。ただ見学内容や首脳の様子は非公表で「本当に我々の体験を理解してくれたのか。反応が聞きたかった」と指摘した。 核軍縮に関する「広島ビジョン」については、核兵器禁止条約への言及がなかったことなどを踏まえ「事前に外務省の誰かが準備したかのよう。広島まで来てこれだけと思うと胸がつぶれる」と失望感をあらわにした。 一方、日本被団協は同日オンライン記者会見を開き、サミットの成果について同様に厳しい見方を示した。木戸季市事務局長(83)は、核抑止を事実上肯定し、核兵器廃絶に向けた十分な議論がなかったと
先進7カ国首脳会議(G7サミット)がまとめた核軍縮に関する「広島ビジョン」を巡り、カナダ在住の被爆者サーロー節子さん(91)が20日、帰郷中の広島市で中国新聞のインタビューに応じた。「自国の核兵器は肯定し、対立する国の核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」と批判した。 サーローさんは帰国前から、サミットに関与する市民社会のグループによる政策提言に注目。核兵器禁止条約の締約国との協働などを求める内容だったが、「岸田文雄首相は提言書を直接受け取ったのに、広島ビジョンでは全く無視されている。市民の声を聞いていない」と憤った。 人間として原爆資料館の展示遺品や原爆慰霊碑と向き合うよう訴えてきた、G7首脳の平和記念公園(中区)訪問も疑問視。「文書の文言から首脳の鼓動も体温も感じない。あの場で何を見て、感じたのかを一切非公表とし、広島に来た意義はあったと言えるのか」と話した。 核
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