水産庁の取り締まり船「おおくに」の救命艇(右)で、接触した北朝鮮船籍とみられる漁船の乗組員を救助する場面=水産庁提供 石川県・能登半島沖の日本海の排他的経済水域(EEZ)内で水産庁の漁業取り締まり船と北朝鮮の漁船が衝突した事案で、政府は9日、取り締まり船が撮影した衝突時の映像の公開に否定的な見解を示した。自民党は公開を求めており、政府との温度差が浮き彫りになった。それぞれ背景には、過去に海上で起きた二つの事案がある。【秋山信一】 西村明宏官房副長官は9日の記者会見で、映像について「今後の捜査への影響もあり公表は想定していない」と語った。安倍晋三首相も同日の参院本会議で「捜査当局において適切に判断する」と述べた。政府が公開したのは、救出時の静止画像などにとどまっている。