自民党内には、いわゆるTPP慎重派議連「TPP交渉における国益を守り抜く会」というものがある。メンバーのほとんどが、先の選挙で「TPP参加断固反対」などといって当選した議員である。当時は「TPP参加の即時撤回を求める会」という名称だったが、2013年3月15日の参加表明以降は、名前を現在の「国益を守り抜く会」に変えた。要するに、「参加」してしまった以上、それを前提として「国益を守り抜く」というスタンスに変わったということだ。いうまでもなく、これは有権者に対しては公約違反だ。 この会の動きや評価、「本当にこれら自民党議員は、最後までTPPに反対するのか?」などをめぐっては、書きたいことは山のようにある。が、今回は、自民党のTPP対策委員長となった森山裕会長に代わって、同会の会長となった江藤拓氏についてのみ書く。 江藤氏は、宮崎選出の議員で、これまでも自民党農林部会会長や、農水副大臣などを務め