知的財産戦略本部の「デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会」は2008年4月24日に第1回会合を開催した。この調査会は,デジタル技術の進展やインターネットの普及によってもたらされるメリットを最大限活用できる知財制度の構築に向けて,総合的な検討を行うことを目的にしている。今回の会合では,知的財産戦略推進事務局が今後の検討の視点として,二つの論点を提示した。 一つ目の論点は,「デジタル・ネット社会における著作権制度の役割をどのように捉えるべきか」である。著作権制度については,創作者の権利を最大限尊重すべきという考え方と,文化の発展のため創作者の利益の保護と文化的活力の向上発展の両立を目指すべきという考え方がある。こうしたことから知財制度専門調査会は今後,デジタル時代における著作物の創作や利用の形態を踏まえたとき,著作権制度の役割をどう位置付けるべきかについての議論を展開する。 二つ目の