◇避けたい「堂々巡りの質問」 埼玉県では医師数が少ないために進行がんが多い、というお話をしました。これが意味することをもう少し詳しくお話しします。 早期がんと進行がんとの大きな違いは、早期がんは治る確率が高いが、進行がんはそれが下がってしまう、ということです。ここで強調したいのは、治療にかかる「手間」です。 早期がんは、「手術だけ」というように、比較的簡単な治療で治すことが可能です。しかし、進行がんになると、手術の他に抗がん剤や放射線治療を組み合わせなければならなくなり、時間も治療費もかかります。副作用に苦しむ期間も長くなりますが、それに見合った治癒の見込みは低いのです。 このような状況だと、患者さんも家族も不安にさいなまれ、色々なことを担当医に聞きたい。聞いても色よい返事は少ないから不安はますます募り、納得できない。必然的に面談の時間は長くなってしまう。でも、医師はこれといった決