北米トレンド 織田 浩一 連載 米国を中心にモノやサービスのデジタル化が進み、競争の鍵は顧客体験の向上と価値創造に移行しました。新たなトレンドに対応するため、北米の最新情報を毎月お届けします。
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最大2070万件――。ベネッセホールディングス(HD)の情報漏洩は、流出した情報の多さから、業界関係者や消費者に大きな衝撃をもたらした。事件の発覚から約1週間がたち、その概要が徐々に明らかになりつつある。 顧客情報が抜き出されたのは、ベネッセHDからデータベースの保守管理を委託されたグループ会社「シンフォーム」が、業務を再委託した先の企業。そこに派遣されていたSE(システムエンジニア)が情報を取り出し、名簿会社に持ち込んだとされている。 この構図を俯瞰していくと、情報漏洩が相次ぐ理由が見えてくる。 オンライン情報とオフライン情報の“質”の違い 最近の個人情報の流出事件では、ホームページのIDやパスワードなど、インターネットで収集・管理されていた情報の流出が増えている。ところが、実はこうしたオンライン上で登録された情報には、偽名や不正確な情報が多く含まれており、個人情報の「質」は必ずしも高く
今、企業の情報管理の在り方が問われている。先週は、ベネッセホールディングスから最大2070万件もの顧客情報が漏洩し、マスコミで大きく取り上げられた。「ウチの会社は大丈夫か」と、慌てて情報システム部門に調査を命じた企業も多いだろう。 ベネッセのケースでは、データを持ち出したのは、顧客データベースの保守管理を受託している企業に派遣されていたSEだとされている。今後、内部犯行を防止するための仕組みや運用の在り方が議論されることになるだろう。 もう1つ、忘れてはならないのが、外部からのサイバー攻撃の脅威だ。特に、特定の企業や組織から重要情報を盗み出すことを目的にした「標的型攻撃」が、近年、猛威を振るっている。国内では、2011年に三菱重工業が攻撃を受けて話題になって以来、企業や官公庁への攻撃が継続的に報告されている。昨年末には、米小売大手のターゲットが標的型攻撃にさらされ、約4000万人分のカード
(英エコノミスト誌 2014年7月12日号) 日本の家電メーカーに復活の兆しが見えてきた。しかし、以前の力強い姿はそこにはない。 ソニーにとっては、ほろ苦い瞬間だった。7月1日、ソニーは同社のパソコンブランド「VAIO(バイオ)」に最後の別れを告げた。1996年に発売されたVAIOは世界的なブランドへと成長し、熱烈な支持者を獲得した。全盛期のソニーのファンだった故スティーブ・ジョブズ氏が、アップルの基本ソフト「Mac OS」を搭載してほしいと頼んだことさえあったほどだ。 生みの親であるソニーから切り離されたVAIOは危機的状況にある。2月にプライベートエクイティファンドへの売却を発表して以降、年初には10%あった国内の市場シェアがわずか2%まで落ち込んでいる。 ソニーの「VAIO」事業売却に見る変化の兆し この目まいがしそうな落ち込みには、ソニーも動揺しているはずだ。同社はVAIO事業にわ
by Sreejith K 集団から得た意見は専門家1人で出した答えよりも正解に近づくという「集合知」の存在が知られていますが、一方で、集団心理によって人は「衆愚」となり愚かな行動を起こすこともあります。集合知ではなく衆愚になってしまう時には何が起こっているのか、そして衆愚にならないようにするためにはどうすればいいのかが、研究によって明らかになっています。 Forget the Wisdom of Crowds; Neurobiologists Reveal the Wisdom of the Confident | MIT Technology Review https://www.technologyreview.com/2014/07/14/172082/forget-the-wisdom-of-crowds-neurobiologists-reveal-the-wisdom-of-
日本のマスメディアはクロスオーナーシップの弊害で、新聞はTVを、TVは新聞を批判しません、できません。 マスメディア自身の自己批判もタブーですのでメディア批判の論説をメディアで見ることはほとんど絶望的です。 例えば悪名高い日本の新聞の「押し紙」問題をTVが取り上げることは皆無ですし、逆に免許制にあぐらをかいたTV電波利権の大問題を新聞が積極的に取り上げることもありません。 これらメディア批判はTVに出演する、あるいは新聞に論説を載せる、コメンテーターや評論家にとってもタブーとなります。 『木走日記』としての一つのテーマがマスメディア評論です。 朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、日経新聞、当ブログでは系列テレビ局も含めてマスメディアは全て批判対象としてきました。 ネット上の個人ブログでマスメディア批評をする理由は、個人的に当ブログはマスメディアと利害関係が全くないので遠慮なくタブー無し
要約 ケインズ 雇用と利子とお金の一般理論 作者: 山形浩生,J・M・ケインズ出版社/メーカー: ポット出版発売日: 2011/11/16メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 272回この商品を含むブログ (11件) を見る ビットコインがらみでお金に関する本をいくつか読んでいるんだけど……どの本を読んでも、「ではお金とは何か、その本質とは何か」というのが必ず出てきて、そしてお金の哲学みたいな話がはじまる。 だけれどいろいろ読んで見て、基本的に、お金を哲学的に理解しよう、本質的に厳密に理解しようという議論って、全部だめだという感想に到った。特に、真剣にそれをやろうとした本当に善意の、学問的良心に満ちた、生真面目な学者先生の議論は、その熱意は痛いほどわかるので大変言いにくいんだけど、まったくダメ。いやむしろ哲学的に、理念的に、精緻に、厳密に掘り下げて原理的に考えようというその生真面目な
ああ、かわいそうな中国世界中からこんなに嫌われて 「成り上がり者」の無礼な振る舞いに、エリザベス女王も呆れ果てた 女王に会わせないとドタキャンするぞと脅したり、出場もできないW杯の試合時間を変更させようとしたり、「成金国家」の振る舞いに世界中が呆れ顔。こんな隣国、まともに相手にしても仕方がない……。 常識外の難癖をつける 「英国は狭量でケチ、偏見に満ちた『沈みゆく帝国』にすぎない」 6月16日、中国の李克強首相が英国を訪問した。だがその翌17日、中国で最も読まれている新聞である、共産党系の国際紙『環球時報』が、このように英国のことをこき下ろした。トップ級の外交が行われているさなかに掲載するには、まったく不適切な内容だ。 李首相訪英の裏側で、いったい何が起きていたのだろうか? 李克強は天然ガス買い入れやロンドン市場での人民元取り扱いの拡大など、邦貨で3兆円規模の巨額の商談をかかえて訪英してい
「9割の人はそんな無茶なと笑って聞き流すだろう。それでも1割、あるいは1%の人が本気でそれはやるべきだと思ってくれれば大成功だ」――ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は7月15日、法人向けイベント「SoftBank World 2014」で、自身の考える日本の労働人口問題の解決策を語った。 日本では少子高齢化にともない労働人口が減少傾向にある。また、他のアジア諸国と比べて人件費も高い。こうした状況もあり、日本はGDP(国内総生産)で中国に抜かれ3位に転落したが、「負けて当然だと諦めている人がほとんどだ」と孫氏は指摘。続けて「日本の経済は成長しなくても仕方ないんだと自分を納得させてしまったら終わりだ」と語る。 しかし、現実問題として労働人口をすぐに増やすことは難しい。そこで孫氏が解決策として提案するのが「ロボット」だ。日本ではこれまで設定されたプログラムによって動作する単純生産ロボットを製造
同盟パートナー探しに苦慮する韓国 「韓国は中国に抱かれるのか?」。太平洋戦争の終結によって独立を得て、近代国家としてひたすら頑張り、G20という国際的地位にまで成り上がった「大韓民国」の前にこんな乱暴な質問がクローズ・アップされることを予見した人はいたのだろうか。「韓流」の世界的輸出を誇る一方、超大国アメリカの「太平洋同盟での核心」(linchpin)といわれるこの国が、1世紀前に経験した地政学的同盟パートナー探しの苦境に再び直面する有様は、世界の現代史に類例があるのだろうか。でも、韓国人の当惑と屈辱感に関係なく、韓国は現実として中国への依存を迫られている。 「当然そうなる」。乱暴な質問には、まず乱暴な答えを提示してから、その内容を論じてみることにする。では、「抱かれる」というアナロジーの意味はなんなのか。他人の腕の中に抱かれた人は、身動きの自由が制限される。抱き合った二つの国家の関係を指
ベネッセの情報漏洩事案では、委託先の派遣社員が犯行を認める供述をしているようだ。最初から情報を盗む目的でベネッセに潜入したのか、ベネッセでのDB管理業務に携わり始めた後から犯行を持ちかけられたのかなど、今後明らかにすべきことは多いが、実行犯が自供したことで、今週からはフェーズが変わって、1.再発防止策、2.原状回復・補償、3.制度の見直しについて議論が始まるのではないだろうか。 SEのIDで顧客情報がコピーされており、任意の事情聴取に「名簿がお金になると思った」と、持ち出したことを認めたという。 ベネッセ関係者によると、DBの保守・管理を担当するグループのIT関連会社「シンフォーム」(岡山市)の東京支社(東京都多摩市)で昨年末、SEのIDが使われ、顧客情報が複数回コピーされた痕跡がパソコン(PC)に残っていた。SEが支社に出入りした記録もあった。 1については具体的な持ち出しの手口や犯人像
安全なパスワードと覚えやすいパスワードのバランスに悩むことはありませんか? 自分でも覚えられないパスワードほど安全ですが、パスワードマネジャーを使用できない場面では、記憶に頼らざるをえません。 セキュリティ侵害が発覚するたびに、私は頭を悩ませます。今年の春、ハートブリードの脆弱性が見つかり、全員がパスワード変更を余儀なくされました。その作業は、今でも続いています。ハックされる恐怖におびえると同時に、自分のお気に入りのパスワードを完全に変えてしまうことに時間と精神的エネルギーを費やすのが無念でなりません。 これは、あなたも同じでしょうか? もしあなたが、ユニークかつランダムな、突破できないパスワードを管理するシステムを導入しているなら、敬意を表します。ある推定によれば、パスワードを再利用せず、セキュリティが充分といえるユーザーは全体の8%だそうです。 残りの92%は、対策が必要です。安全なパ
1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授、法政大学大学院教授などを経て、2022年4月から現職。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。 今週のキーワード 真壁昭夫 経済・ビジネス・社会現象……。いま世の中で話題となっているトピックス、注目すべきイノベーションなどに対して、「キーワード」という視点で解説していきます。 バックナンバー一覧 “弱腰”米国と対峙する中国やロシア 「Gゼロ時代」の世界の構図をどう読むか? オバマ大統領の支持率が低下している。もともとオバマ政権の外交政策については、“弱腰”とかなりの批判があった。ニューヨーク在住のアナリストは、「オバマ大統領の弱腰外交は、中国やロシ
企業を総合的に評価していくための有効なツールの1つが財務比率分析である。この財務比率分析の中心はROEと成長性だ。数字と数字の関係を計算しながら、ソフトバンクとドコモを総合的に評価していく。 総合的に評価する「財務比率分析」 写真を拡大 西山茂(にしやま・しげる) 早稲田大学ビジネススクール教授。 早稲田大学政治経済学部卒。米ペンシルバニア大学MBA修了。監査法人ト-マツ、㈱西山アソシエイツにて会計監査・企業買収支援・株式公開支援・企業研修などの業務を担当したのち、2002年より早稲田大学。2006年より現職。学術博士(早稲田大学)。公認会計士。 これまで損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、セグメント情報から企業を読む方法について、ソフトバンクとドコモをケーススタディとして取り上げながら学んできた。その結果、ソフトバンクは国内移動通信事業やインターネット事業などの高収益をベース
人が怠惰に流れやすいように、会社もわずかな油断から病が忍び寄る。そのことを熟知している盛田昭夫は矢継ぎ早に内部を改革し、また新入社員を歓迎するたびに「強烈な洗礼」でもって一人ひとりに自覚を促し続けた。本誌2012年11月号に開始した人気連載「盛田昭夫 グローバル・リーダーはいかにして生まれたか」、通算第32回(2014年秋に単行本化を予定)。 「出るクイ」を求む! 日本の求人広告の歴史を変えた、とまで言われる2つの広告が、相次いで出稿されたのは1969年の1月と6月のことだった。<「出るクイ」を求む!>と<英語でタンカのきれる(日本)人を求む>である。盛田昭夫のフィロソフィーと言動から生まれたものだが、いずれも朝日新聞朝刊に掲載された。出るクイが打たれる日本で、<「出るクイ」を求む!>のコピー本文は、こう呼び掛けている。 「積極的に何かをやろうとする人は「やりすぎる」と叩かれたり、足をひっ
「自分のことが嫌いだから、こんな性格を変えたい」という人は、実は本当は変わりたくないのだといったら驚かれるでしょうか。変わりたいといいながら、変わりたくないと思っている、というのは一体、どういうことなのか。もしも変わるとすれば、どうすれば変われるのかを考えてみましょう。 自分のこと、好きですか? カウンセリングにこられる人に「自分のこと、好きですか」とたずねると、ほとんど例外なく「嫌いです」という答えが返ってきます。 「自分が嫌い」という人は、当然そんな自分のままでいいと思っているわけではなく、例えば、「私は性格が暗く引っ込み思案なので、人とうまくコミュニケーションを取ることができません。こんな私の性格をどうすれば変えられるでしょうか」といいます。 「性格」というと、生まれつきのもの、変えられないものと思われがちですが、簡単ではないが、変えることも可能だとアドラーは考えます。変えられないと
営業現場を変えるコンサルタントとして現場に入っていると気になることがいくつかあります。筆頭が「無駄な会議」です。 無駄な会議が増えれば効率が悪くなり業績は落ちていきます。業績が落ちると何とかしようとしてまた会議を開きます。悪循環です。 このように文章で書くと当たり前ですが、現実を見ると無駄な会議は沢山あります。 本コラムは営業目標を絶対達成する勘所を2分間のバトルを通じてお伝えするものです。今回は会議に明け暮れている営業本部長と課長のバトルを紹介します。2人の会話をお読みください。 ●営業本部長:「来週の幹部会で使う資料、作ってくれたか」 ○課長:「下半期の方針資料でしょうか」 ●営業本部長:「そうだ。もうできたか」 ○課長:「9割方、できています。ただし肝心の下半期方針を示していただかないと完成できません。先日そのことをメールに書いてお送りしましたが」 ●営業本部長:「メール? 私は忙し
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