経済評論家の上念司氏の新刊『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』(講談社+α新書)が話題だ。日本経済の長期停滞を、日本型エリートの構造的欠陥に求めた快著である。 今日でも「消費増税しないと国の借金を未来の世代に押しつけてしまう!」「日本の借金は1000兆円以上で財政危機!」という話題は、いろいろなところで聞かれる。この話題のルーツを見ていくと、たいがいは財務省の官僚たちの作文や発言にたどり着く。財務官僚が政治家やマスコミなどに「ご説明」や「根回し」で利用している資料や説明文のことである。