2021年春に二つの米地銀トップがタウンホールを開催した時のムードは、実に目がくらむようなものだった。 米地銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)とフラッグスター・バンクという二つの金融機関が手を組むことで、より手ごわい存在になるはずだった。 NYCBのトーマス・カンジェミ最高経営責任者(CEO、当時)は「私はそれを白紙のページと見なし、共に描くピカソと呼ぶ」と発言した。 それから3年が経過し、ニューヨークの不動産オーナー向け金融サービスで知られるNYCBは、深刻な困難に直面している。先週にはリスク監視能力の重大な脆弱(ぜいじゃく)性を開示し、カンジェミ氏からアレッサンドロ・ディネロ氏へのCEO交代も同時に発表された。3年前のタウンホールを開催したフラッグスター側のトップがディネロ氏だった。 NYCBが1月末に公表した昨年10-12月(第4四半期)決算で70%の減配