ポイント 反強磁性体で初めて自発的な巨大異常ネルンスト効果を発見しました。 電子構造のトポロジーを利用した新しい熱電技術の提案をします。 既存磁性体物質より磁化当たりで100倍大きい熱起電力特性を持つ反強磁性体のため、 漏れ磁場を押さえることで高集積化が可能、高効率の熱電変換材料として期待されます。 熱から電気エネルギーを直接回収する発電方法として熱発電と呼ばれるものがあります。これは自動車・バイクのエンジン、工場や製鉄所、パソコンやサーバー機などで発生する身近な廃熱を利用する方法や、温泉熱、太陽熱、地中熱などの自然界の熱を利用する方法が知られています。主に熱を電気に変える熱電変換素子は、「温度差を有する材料の両端に起電力が生じる」という基礎原理を利用しています。この原理を利用した発電装置は温度差が大きいほど発電量は大きくなります。また、小型化が可能なうえ、可動部分もなく発電装置の長寿命化