愛知県で開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が一時中止された問題で、造形作品を出展した前橋市の美術家・美術評論家、白川昌生(よしお)さん(71)が本紙のインタビューに応じた。白川さんは同展再開後、会期末の十四日に現地を訪れ、出展者として不自由展への抗議の電話に対応したり、来館者に作品の趣旨を解説したりした。今回の問題と表現の自由に対する思いを聞いた。 (菅原洋) まず、作品を出展した作家が再開に対する抗議の電話を受ける試みに参加した。私が受けたのは男女三人。中年の女性は(文化庁が問題を受けて芸術祭への補助金を不交付にしたことに)「国家が不交付を決めたのに再開するとは、日本国民か。国に従わないのなら国家反逆罪に当たる」と持論を展開した。作家としてはいい経験になった。