多くの車に搭載されるカーナビゲーションシステム(カーナビ)。見知らぬ土地で道案内してくれる心強い味方だ。精度が高い地図や経路案内、美しいディスプレーなど、こだわりが強い日本の「ものづくり」のお家芸ともいえる製品だったが、ここへ来てカーナビ各社の苦境が目立っている。背景を追うと、世界の自動車産業で続く地殻変動が見えてきた。 ◇ 今年1月、カーナビ大手のアルパインと、同社の筆頭株主の電子部品大手・アルプス電気が経営統合し、「アルプスアルパイン」が発足した。もともとアルパイン株の4割超を握っていたアルプス電気が完全子会社化した。アルパインのカーナビと、センサーやスイッチといった車部品を手がけるアルプス電気の技術を組み合わせ、技術開発を加速するねらいがあるという。 相次ぐ傘下入り カーナビ業界では最近、大手の傘下に入る動きが相次ぐ。いずれも経営が厳しくなり、単独での生き残りが難しくなった。 「イク