ニース条約(〔独〕Vertrag von Nizza)は、欧州連合の基盤となる諸条約を改正する条約の一つ。2000年12月11日に南フランスのニースで調印され、2003年2月1日に発効した。批准手続においては、アイルランドの国民投票で一度否決されたが、条文の修正を行わずに再投票にかけられ、可決された。 当初から予期されていたEUの東方拡大(中東欧諸国のEU加盟)に備えて、EUの機構改革を行う必要性が認識されていたが、アムステルダム条約の成果はこの点でまったく不十分なものであった。そこで、「アムステルダム後(post Amsterdam)」の改正が不可欠とされ、この改正交渉は2000年12月のニース欧州理事会において妥結し、直ちに調印された。 ニース欧州理事会は、12月7日から11日という異例の長さとなったが、これは、何としても交渉をまとめ(て条約に「ニース」の名を冠し)たかった議長国フラン
ニース欧州理事会で採択された本条約は多方面からの反対を受けた。ドイツは欧州連合理事会の表決手続きに関して、自国の人口をより考慮した票の配分を求めたが、これにはフランスが反対した。フランスはドイツとともに欧州連合に対する影響力を保持したいとの考えから、両国の票の配分は同等であるべきだと主張した。また多くの加盟国が従来の方式を大幅に単純化するべきとの考え方から、特定多数決方式に代わって、加盟国の投票とその人口による二重の多数決の導入が提案されたが、これもフランスが同様の理由で拒否した。これらを踏まえ二重の多数決について、加盟国の投票に加え、賛成を投じた加盟国の連合全体における人口の割合を考慮して、一定以上の市民の意見を代表しているかという観点で決するという妥協案に合意がまとまった。 またニース条約では将来の拡大に備えて、欧州議会の議員定数を732とした。これはアムステルダム条約で定められた定数
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