こんな世界に生きていると、もう一度、赤ん坊だった頃に戻って、オギャアオギャアと泣いてみたくもなるものだ。自分のなかに生まれる様々な感情や欲望を、「言葉」というまどろっこしいツールでそれっぽい形に切り取って満足してしまう前の、あの頃のやり方。自分の全てをわかってほしくてオギャアオギャアと泣き叫ぶ、そんな嘘のないやり方で、世界ともう一度コミュニケーションを取ってみたいものだ。……と考えてみたところで、教育を受け、言葉を覚え、人と人との社会で生きている以上、そんなことはできっこないのだけれど。しかし、自分も生まれてきた以上、一度は、そうやって世界と対峙した瞬間があったのだと思うと(覚えていないけれど)、なんとも遥かな気持ちになってくる。 眉村ちあきの2ndアルバムのタイトルは、『劇団オギャリズム』と名づけられた。眉村ちあきを見ていて時折抱く気持ちと、赤ん坊だった頃を思って抱く遥かな気持ちは、もし
![眉村ちあきが、おバカなことを愛す理由。奔放さの奥にある想い | CINRA](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/3aca3d9b70045f5dbfd3c449b1b0be94d5ea68ad/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fformer-cdn.cinra.net%2Fuploads%2Fimg%2Finterview%2F202001-mayumurachiaki_ymmts_l_full.jpg)