「生協職員という安定を捨てて」。そんな副題のついた記事を担当しました。西の名門・同志社大学を卒業して一度は生協へ就職した、レイザーラモンHGこと住谷正樹さんのインタビューです。お母さまには今も電話で「まだ遅くないから、も1回コープさんに入れてもらいなさい!」と説かれるそうで。新鮮野菜を宅配するハードゲイ……その再就職、もう手遅れな気がします、お母さま。 サングラスをはずした素顔はやわらかな物腰、丁寧で、真面目で、そして知的な方でした。今のスタイルに行き着くまで「徹底的にリサーチして本物のゲイカルチャーを一つ一つ教わっていった」とか、「アマチュアプロレス時代とは違う“魅せる”身体の鍛え方を研究した」とか……ストイックに試行錯誤を重ねてきた過程をサラリとおっしゃって、質問した私たちのほうが軽く絶句。己に課したメニューを黙々とこなして理想型をつくりあげる、まるでアスリートの強化訓練の話を聞いてい