〈マメ クロゴウチ〉と佐藤亜紀『天使・雲雀』。本とコート、未来のカノン vol.1
長く着られる飽きのこないお気に入りのコートに似合うのは、未来のクラシックになりうる繰り返し読んでも古びない小説だ。アウターの大きなポケットは読みかけの文庫本の定位置になり、もう行き場に困ることもない。記憶に残る1冊とスタンダードとなる1着。時間の重みを感じさせる“未来のカノン”に、豊﨑由美さんの選書を通して出合う。#本とコート、未来のカノン 『天使・雲雀』 佐藤亜紀 第一次世界大戦の約10年前から1928年にかけてのヨーロッパを、他者の頭の中に入り、動かすことができる《感覚》を具えた間諜たちが跋扈。『天使』と『雲雀』は、オーストリア＝ハンガリー帝国の終焉とハプスブルク家の斜陽を、史実と虚構を巧みに織りまぜた筆致で描くインテリジェンス（知性／諜報）歴史小説だ。主人公ジェルジュをはじめとする登場人物すべてが魅力的な上、《感覚》という異能を言語化する表現が見事。エスピオナージュ小説の不穏と、歴史
＜トヨザキが読む！豊﨑由美＞佐藤亜紀、世界文学クラスの才能 直木賞 無視なぜなんだ：東京新聞デジタル
二十世紀初頭、貴族階級の落日を告げるヨーロッパ情勢を背景に、ひとつの肉体にふたつの精神を宿す異色の双子が波瀾（はらん）万丈の半生を回想した『バルタザールの遍歴』で、佐藤亜紀がデビューを果たした一九九一年の衝撃は今も忘れられません。小説に求められる魅力のすべてを持ち合わせた、世界文学クラスの才能の出現に度肝を抜かれ、欣喜雀躍（きんきじゃくやく）したのを、つい昨日のように思い出すことができます。 それから幾星霜、発表作すべてが傑作であるにもかかわらず、佐藤氏が日本の出版界においてその才能に見合った扱いを受けているかといえば、否。トヨザキは無念でなりません。 近年でいえば…。中世と近代、野蛮と文明、迷信と理性、地主制度と資本主義。さまざまな対立項を吸血鬼譚（たん）を生かした物語の中に織りこみながら、誰もが誰かの血を吸い上げている世界の無残さを浮かび上がらせた『吸血鬼』（二〇一六年）は、語りのテク
閉塞感を打ち破る、反骨精神とパワーがチャージできる！佐藤亜紀が贈る現代を生き抜くための必読小説3選。 | カドブン
佐藤亜紀さんが紡ぐ歴史小説を読んで驚嘆するのは、どこが舞台であっても、いつの時代であっても、常に「現在」を生きる自分に引き寄せて読むことができることです。今こそ読んでいただきたい、という思いをこめてご紹介するのは、戦争に翻弄された人々の姿を、驚きに満ちた視点で描きだした３冊です。強大な権力と容赦のない暴力に蹂躙されながらも、自分の価値観を信じ、大切なものを守り抜こうと闘う登場人物たち。権力は牙を剥き、役人たちは利益に群がり、保身に奔走する。国民は“駒”でしかない――そんな中、一人の人間としてどう生きるのか……？ 決して過ぎ去った歴史を描いた物語ではありません。閉塞感を感じる現実を突き抜け、生きるために。現代の私たちにとって、必読の書です。 １：第一次世界大戦の最中、特殊な能力を持ち、熾烈なスパイ戦に駆り出された青年。 『天使・雲雀』 名もなき青年が、たった一人で“国家”に立ち向かう！ 第一
佐藤亜紀『天使・雲雀』 | 佐藤亜紀小説研究ノート
佐藤亜紀の長編小説『天使』（文藝春秋、2002年）とその姉妹篇の連作短編集『雲雀』（文藝春秋、2004年）が合本され、2020年8月25日、角川文庫から『天使・雲雀』として出版されました。 天使・雲雀 佐藤 亜紀：文庫 | KADOKAWA 生まれながらに特殊な「感覚」を持ったジェルジュは、オーストリアの諜報活動を指揮する権力者の配下となる（「天使」）。特殊な「感覚」を持つ工作員たちの闘いと青春を描く、姉妹篇2冊をまとめた決定版。 天使・雲雀 佐藤 亜紀：文庫 | KADOKAWA 『天使』作品情報 書誌情報 書名 天使テンシDer Engel 刊行年 文藝春秋単行本 2002年11月天使 (文藝春秋): 2002｜書誌詳細｜国立国会図書館サーチ天使 (文藝春秋): 2002｜書誌詳細｜国立国会図書館サーチ – CiNii Books文藝春秋文春文庫 2005年1月天使 (文藝春秋): 2
天使 – 大蟻食の生活と意見
二十世紀初頭、義父を失い孤児となったジェルジュ・エスケルスは、特異な「感覚」故に、オーストリア帝国の諜報機関を指揮する「顧問官」に引き取られる。
天使・雲雀
粋なラストにため息。“感覚”を持つ者たちの駆け引き騙し合い。極上のスリルに深く引き込まれていたのに最後の一文で軽々と解き放たれる。感覚を開ける・他人のそれを掴む。現実には有り得ない現象も巧みに紡がれた言 粋なラストにため息。“感覚”を持つ者たちの駆け引き騙し合い。極上のスリルに深く引き込まれていたのに最後の一文で軽々と解き放たれる。感覚を開ける・他人のそれを掴む。現実には有り得ない現象も巧みに紡がれた言葉が指し示すままゆっくりと想像を巡らせば妖美と畏怖が混じり合う驚異の世界に魅せられる。第一次世界大戦を背景に「天使」から「雲雀」まで主人公ジェルジュと同じ”感覚”を持つ者たちが絡み合い物語を織り成すが、中でも役人ダーフィットがもたらす不思議な温かさが母・ヴィリの過去と相まって気付く真実に嗚呼と心震えた。 …続きを読む
大阪交響楽団（公式ホームページ）
〒590-0074 大阪府堺市堺区北花田口町3-1-15 東洋ビル４F TEL：072-226-5533 FAX：072-226-5544
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く
Book Bang （ブックバン）本紹介 on Twitter: "宝の山の入口のようなインテリジェンス歴史小説 佐藤亜紀『天使・雲雀』 https://t.co/K7Csvbaa8x この一冊で #佐藤亜紀 の小説に出合うあなたが羨ましくてならない 文庫巻末に収録されている書評家・… https://t.co/fQgHfJjgsf"
「この一冊で佐藤亜紀の小説に出合うあなたが羨ましくてならない」宝の山の入口のようなインテリジェンス（知性／諜報）歴史小説『天使・雲雀』 | カドブン
「この一冊で佐藤亜紀の小説に出合うあなたが羨ましくてならない」宝の山の入口のようなインテリジェンス（知性／諜報）歴史小説『天使・雲雀』 | レビュー | Book Bang －ブックバン－
livewire on Twitter: "佐藤亜紀さんの代表作の一つ『天使・雲雀』二部作が、合本＆加筆の決定版文庫化。 その記念に、編集Mさん謹製のフリーペーパーを全国の有志書店さんで展開中とのこと。（LWからもコメントを寄せております。） 『スウィングしなけりゃ』の… https://t.co/zob8Turgid"
名もなき青年が、たった一人で“国家”に立ち向かう――佐藤亜紀の『天使・雲雀』に寄せられた熱狂的な興奮をお届け！『スウィングしなけりゃ意味がない』の熱狂を再び味わってください。 | カドブン
角川文庫編集部 on Twitter: "【#佐藤亜紀『#天使・雲雀』への応援コメント】目に視えぬものに触れ、手に触れられぬものを感じとり、自在に操る力を持つ青年たち。死の気配がたちこめる街を背に、上下する胸の息づかいと、傷ついた命のほとばしりが聞こえる。儚くも力強い美学の物語だ――。（リブロ新大阪店・浦田美穂）"
角川文庫編集部 on Twitter: "【#佐藤亜紀『#天使・雲雀』への応援コメント】物語の激しさ凄惨さは感じたけれどジェルジュの優しさに救われました。何だろうこれが頭を覗くってことなのかな？彼らの表も裏も見れた気がします。最高なスリルと彼らの想いを是非読んでいただきたい。（八重洲ブックセンター・狩野大樹さん）"
角川文庫編集部 on Twitter: "【#佐藤亜紀 『#天使・雲雀』への応援コメント】 何という小説だろう。読み返す度に、物語にうっとりと溺れつつ、不可知に触れでもしたかの様な感覚に眩暈を覚え、切り詰められた端正さに溜息が漏れる。 （画家・浅野信二）"
角川文庫編集部 on Twitter: "【#佐藤亜紀 『#天使・雲雀』への応援コメント】突如、姿もなく生活を破壊しはじめたコロナウィルスは大戦前夜の暗鬱、プロイセンとロシアに挟撃され権謀術策渦巻くウィーンの宮廷政治は、米中の利害衝突に翻弄される霞が関の迷走を彷彿とさせ、… https://t.co/qYsXYAKRNj"
角川文庫編集部 on Twitter: "【#佐藤亜紀 『#天使・雲雀』への応援コメント】人間業とは思えないほどの完成された美しさに畏怖する歓び。本書を読む至福はこれに尽きる。欧羅巴、戦争、間諜、そして異能者たちの戦いを、磨き抜かれた黒檀のごとき物語に仕立てた、現代最高位… https://t.co/HWbVi3g4kN"
角川文庫編集部 on Twitter: "【『#天使・雲雀』への応援コメント】#佐藤亜紀 さんの小説はいつも、描かれていない無数の人物やエピソードが背景にあるのを感じさせる。氷山のように。『天使・雲雀』は、『天使』で海上の極上の物語を味わった後、『雲雀』で海中もちらりと覗… https://t.co/GivgfqaXr3"
角川文庫編集部 on Twitter: "【#佐藤亜紀 『#天使・雲雀』への応援コメント】 この作品が書かれてから既に20年、今回の文庫化はあまりにも時宜を得すぎていて、ゾッとする。まさに神からの恩寵――いや、100年を超えて未だ代わり映えのしない我々の愚劣を笑う、天使の… https://t.co/5IqVga94Xx"
Kirsten Flagstad sings Wagner - "Der Engel"