現在の金管楽器はバルブ等の装置のおかげで、1つの楽器さえあれば一通りの音程が鳴らせます(※)。このため、近代以降のスコアの方が金管楽器は読譜しやすいです。 ※私含め、金管楽器に触った経験がないと「当たり前じゃないか」と思ってしまうのですが、古い時代の金管楽器は基本的に倍音列にある音しか鳴らせず、「ドレミファソラシド」の音階も吹くことはできません。ベートーヴェンなど古典派の譜面を見てみるとよくわかります。ホルンはベルへの右手の出し入れで音程の制御がある程度可能なものの(ゲシュトップ奏法)、音質が変わります。 バルブ機構がなかった時代は、調性に合わせてたくさんの移調楽器が必要でした。下でちょっと並べてみただけでも、色々な調の楽器があることがわかります。 トランペット 現代ではB管とC管の2つが主流(この2つだけ音符に棒をつけました)。D〜F管は上に、A〜H管は下方向に下げて読めば大丈夫です。