第四回「マンガ版『ナウシカ』はなぜ読みづらいのか?」(2) 【F】マンガ版『風の谷のナウシカ』の“読みづらさ” ●現在マンガ版『風の谷のナウシカ』は、ストーリーマンガ史上の傑作として評価が定着している。テーマと設定は、アメリカの作家フランク・ハーバートによるエコロジカルSFの傑作『デューン』に強く影響されている。『デューン』は遠い異星の文化・歴史から地理・生態系に至るまで、架空の世界構造が緻密に設定されていて読者を驚かせたが、宮崎の『ナウシカ』もまた、ハーバートに負けない高度な世界構築を「マンガ」として徹底したビジュアルで展開してみせた。 →物語が進むにつれて宮崎の思想や政治意識、さらには人類への絶望と人間性への肯定=希望という相反する思弁的テーマに正面から取り組み、宮崎の作家としての「核」が描かれた力作となっていった。当初のエコロジー思想に基づく原始共産主義的・理想主義的テーマは、12年
■京都精華大学連続講義レジュメ 第四回「マンガ版『ナウシカ』はなぜ読みづらいのか?」(1) 講師 竹熊健太郎 【A】手塚治虫と宮崎駿の複雑な関係 ●手塚の死去(1989年)に際して、様々な雑誌で追悼特集が組まれ、多くの識者が追悼文を寄せていたが、ひとり宮崎駿は、手塚のマンガ家としての功績を十分に認めながらもアニメ分野における手塚の活動を痛烈に批判して世間を唖然とさせた。 →「だけどアニメーションに関しては───これだけはぼくが言う権利と幾ばくかの義務があると思うのでいいますが───これまで手塚さんが喋ってきたこととか主張してきたことというのは、みんな間違いです」(手塚治虫に「神の手」をみた時、ぼくは彼と訣別した」宮崎駿 comicbox 1989.5月号) →宮崎は、手塚がアニメ作家としては「素人芸」であり「下手の横好き」であって、にもかかわらずマンガ家としての名声をバックにアニメ会社を作
「来月結婚するので、職場の人たちに発表した。すると年下の女性から『辞めるんですよね?』と言われてびっくり。社員の平均年齢が20代の若い会社なので、結婚して働いている女性の先輩がいないこともあり、結婚したら続けられない会社と勘違いしているみたいだ。私が第一号になって、育児休業もとらなくては! と思っています」 社員300人ほどのPR会社の人事課に勤める女性Tさん(30歳)は、楽しそうに言った。 Tさんの会社は残業が多いらしく、結婚するのは無理なのでは? と彼女自身も考えていたそうだ。 「社長に相談したら、『結婚しても出産しても、ずっとがんばってくれ』と励まされました。期待に応えて、いいお手本になりたい」と意気軒高だ。なんとも頼もしい。 30歳前後のいわゆる「アラウンド30」の女性というのは微妙な年代。いつも心のどこかに、結婚や出産と仕事の兼ね合いについてのキャリアプランが引っかかって
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