月に300時間をこえる残業も明らかになった、霞が関の官僚。現状に疑問を持ち、辞める若手も増えている。霞が関の働き方をどうかえていくべきなのか。現役の官僚を取材した。 深夜の午後11時ごろ、厚生労働省の窓には、たくさんの明かりがついている。そのビルから出てきた1人の女性が、桝井千裕(ますいちひろ)さん。31歳で入省9年目、現在は新型コロナウイルスの対策本部で働いている。 桝井千裕さん 「これでも(帰るのは)早い方です。きょうは大変ありがたい。暗いうちに帰れる……」 普通は「明るいうちに帰る」というところだが、桝井さんは、夜明け前に帰れることが嬉しいと言う。 退庁が深夜になったのは「国会対応」のためだ。国会対応の仕事は、国会審議の議員からの質問に対する総理大臣や大臣などの答弁案をつくること。準備のために、質問内容は、議員から事前通告されるが、この通告がくるタイミングが遅い時や、内容によっては、