【モスクワ=遠藤良介】イタル・タス通信によると、ロシア最高裁は1日、革命政権によって1918年に銃殺されたロマノフ朝最後のツァーリ(皇帝)、ニコライ2世とその家族6人が政治弾圧の犠牲者だったとし、その名誉回復を認める確定判決を下した。昨年11月、同裁は名誉回復を求めた皇族末裔(まつえい)らの訴えを退けたものの、最上級審である同裁幹部会が上告を受けてその判決を破棄した。 原告側弁護士は「名誉回復は(ロシアが)全体主義の過去と決別した文明国家であることを示す」と判決確定を歓迎している。これまで下級審は「国家権力が殺害を命じた証拠はない」などとする検察側の主張に沿った判断を下していた。 皇帝とその家族は18年7月17日、軟禁されていた西シベリア・エカテリンブルクの地下室で現地革命勢力によって銃殺された。