東北大の井上明久学長が執筆した金属ガラスに関する論文に「不正がある」との投書が届くなどした問題で、東北大の大村泉教授(経済学)ら4人は9日、論文に捏造(ねつぞう)や改ざんがあるとの告発書を日本金属学会に提出した。4人は同日、文部科学省にも告発内容を通知。指導、監督を求めた。 告発を受け学会は「規定に基づいて予備調査委員会で速やかに精査し、告発を受理するかどうかを決める」としている。 対象は、井上学長が教授時代を含めた平成7〜19年、連名で発表した3本の論文。大村教授らは「実験に使った装置は、論文で実験場所とした東北大には当時なく、写真は合成。ずさんな研究だ」としている。 大村教授らは昨年9月、井上学長の平成5年、10年の論文2本についても学会に見解を求めるなどしている。