岸田文雄自民党総裁は何か大切なものを失っている。自民党が持ち続けてきた矜持をかなぐり捨てたように見える。国益、国民益ではなく自らの身(総理の座)を守ろうとする「保身」の匂いが漂ってくる。少なからず国民には積極的に支持する心情が湧いてこない。岸田内閣の支持率低迷の原因はそこにある。 とりわけ日本の伝統と歴史に誇りを持ち、それを子孫へと継承していこうと考えている人々は、岸田政権に強い違和感を抱いている。悪名高いLGBT法の制定を強行した姿勢は、左翼世論に迎合する「赤いポピュリズム」を彷彿させた。知ってか知らずか、日本社会の紐帯を切り裂き、すべてを「個人」に還元させる策謀に嵌っている。 家族再生を目指す大平正芳氏の叡智大平正芳元首相(左)と岸田文雄首相 日本社会の紐帯とは何か。それは言うまでもなく家族を軸にした血縁であり、地縁であり、職縁であり、さまざまなゆかりであり、つづきあいであり、支え合い