若い頃、会社の先輩が「日本経済新聞をスミからスミまで読め」と言っていたのを鵜呑みにして、何年も実践したことがありますが……、よく分からなかった。 たとえば、ある日の第1面に「円安は日本経済にダメージを与える」とあって、何ページかめくると、「この円安は奇貨となる」と書いてある。「どっちやねん」と投げ捨てたことを覚えています。 今なら、円高にも円安にもメリット/デメリットがあることが理解でき、くだんの記事は、「ピンチをチャンスに」という意味あいで書かれたものだと汲み取ってあげることはできる。でもどこかに無理があるように思える。 読書猿:今回の経済学対談では、私なりの悪口を言いながら(笑)Dainさんに経済学と和解してもらいたいなと思っています。そもそもですが、経済学が嫌われる理由の根本は、この学問が実は「倫理学」を出自とするところにあるのではないか、と思うんですよね。 Dain:出自が倫理学。
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