持ち堪えるウクライナ軍 例えば開戦の少し前、米CSISのエミリー・ハーディングは、次のような戦争の想定シナリオを発表していた。ウクライナがNATOの支援を得られるかどうかを縦軸に、ロシアの侵攻規模がどのくらいのものとなるかを横軸に取ってマトリックス化したもので、NATOの支援が得られない場合には、ウクライナはロシアの支配を受け入れるしかない、というのがその基本想定である。 また、NATOの支援が得られた場合でも、ウクライナ軍が組織的な抵抗を行うことはほぼ不可能であって、軍隊をゲリラ部隊に改編して、NATO加盟国を後背地としながら反乱作戦(insurgency operation)を行うしかない、というのがハーディングの結論であった。(表1、Harding,2022.2.15.)。 ロシアの侵攻開始前後に米国が行った対ウクライナ軍事援助も、このような見立てに沿って行われたものであるように見え
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