認知症に伴う暴力や妄想、徘徊(はいかい)などを抑えるために使われている精神病の薬について、日本老年精神医学会は、使い始めてから11週以上過ぎると、死亡のリスクが高まる可能性があるとの調査結果をまとめた。 学会は「使う場合は短期間が原則。減量や中止を常に検討すべきだ」と注意を呼びかけている。13日に学会で報告する。 統合失調症などに使う抗精神病薬は、暴力などの症状を抑える一定の効果があるとされる。認知症では公的医療保険が認められていないが、医師の判断で広く使われている。2005年4月に米食品医薬品局(FDA)が、抗精神病薬を認知症に使うと死亡のリスクが約1・6倍高まる、と警告していた。