ガボン唯一の精神科病院、国立メレン精神衛生センター(CNSM)の女性患者(2016年5月23日撮影)。(c)AFP/CELIA LEBUR 【6月14日 AFP】建物は老朽化し、芝は荒れ放題、患者は雑草の中で放置されている──。ここは、アフリカ中部ガボン唯一の精神科病院だ。 1982年、首都リーブルビル(Libreville)郊外に設置されたこの施設は当初、近代精神医療が始まって間もないアフリカ大陸でモデルとなるはずだった。だが現在は、病院というよりむしろお化け屋敷さながらだ。開け放たれた門には、国立メレン精神衛生センター(CNSM)という看板が掲げられている。 施設も患者も放置されている。数十人いる患者のうち24人は長期入院者で、もはや「住人」と化している。人口約180万人のこの国に、有資格の精神科医は4人しかいない。 センターには患者の世話役として、事務職員数人と調理師3人が雇用されて