● 「今回の話は、文体についてです。川上稔が使用している文体は写実系ですが、それがどのようなものか、他の文体と比較など行い、今まで何となく流していた”文体のルールによって表現がなされる”ことを明確にしていきます。……ホントですかね? まあええ、そんな話です」 ● 「そんな訳でいきなりですけど、写実描写主義って、何です?」 「そう言うほど厳密じゃ無いけど、文章による描写と伝達方法が、直接表現じゃなくて写実描写を通した間接表現になってるって事」 「…………」 「……ええと?」 「つまりこういうこと」 ・直接表現 少女は哀しいので泣いた。 ・間接表現 少女は眉を下げて、目尻から涙を零した。 「前者はもう、文章読めば解るわね? 一方で、後者は”哀しい”ということを、少女の描写で間接的に示したのね。何故なら眉を下げて目尻から涙を零す=哀しいから生じることだから。 このように、感情や、ものの正体などに
![”写実描写主義・前編” - 川上稔がフリースタイルで何かやってます。(電撃文庫) - カクヨム](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/571a919ec16ab57e0f97776b81424b390fa07c57/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-static.kakuyomu.jp%2Fimages%2Fupload%2Fdengekibunko%2Fbanner%2Fkmfs_1904.jpg)