中国と韓国が「通貨敗戦」に直面している。中国発の経済危機への対抗策として、日本や欧州がマイナス金利や量的緩和を打ち出したが、中韓は通貨暴落と資金流出に歯止めがかからない危機感から、打つ手なしの状態だ。金融緩和すれば「中韓売り」に見舞われ、緩和を見送れば景気を逆噴射させる。進むも地獄、退くも地獄の状態だ。 「(中国は)穏健な金融政策を維持する。過度な金融政策で刺激して(経済成長の)目標を達成する必要はない」 中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は12日、開会中の全国人民代表大会(全人代)に合わせた記者会見でこう述べ、大規模な金融緩和に否定的な見方を示した。 元安誘導で中国からの輸出を刺激しても「成長にもたらす作用は大きくない」とも指摘し、通貨安競争を引き起こす考えはないことを強調した。 中国発の世界経済危機への懸念が強まるなか、主要国の中央銀行は積極的に行動している。欧州中央銀行(ECB)は