目次 序章 非常事態下における犯罪流言 第1章 関東大震災後の子供たちの作文における朝鮮人表象 第2章 関東大震災後の子供たちの作文における日本人表象 第3章 関東大震災発生までの新聞における朝鮮人表象 第4章 非常事態収束後の朝鮮人犯罪流言についての社会的認知 第5章 敗戦までの朝鮮人犯罪流言―太平洋戦争期を中心に 第6章 戦後の外国人犯罪流言―東日本大震災時を中心に 終章 多文化共生の現実と外国人犯罪流言の言説間構造 あとがき 参考文献 前書きなど 本書では、非常事態下で発生した外国人犯罪流言を時系列順に取り上げ、実態、発生メカニズム、結果の三点を軸に考察する。 第一章から第四章までは、関東大震災時における朝鮮人犯罪流言を扱う。流言が実際の暴力へと繋がった事態の重大さのため、本書のかなりの割合を占める。第一章と第二章は、流言と暴行の現場のミクロな構造に、第三章は、歴史的な背景に焦点を当