地球上においてDMSとDMDSは、海洋の植物プランクトンのような微生物を主とする生命体のみが生成する物質である。K2-18bの大気中におけるこれらの分子の存在が未知の化学反応によるものである可能性も否定できないが、この結果は太陽系外の惑星に生命が存在する可能性を示す最も強力な証拠となっている。 観測結果は統計的有意性において「3シグマ」レベルに達している。これは偶然によって生じる確率が0.3%であることを意味する。科学的発見として公式に認められるためには「5シグマ」の閾値(偶然による確率が0.00006%未満)を超える必要がある。研究者たちによれば、JWSTによる16~24時間の追加観測によって、5シグマの有意性に到達できる可能性があるという。 K2-18bは地球の8.6倍の質量と2.6倍の大きさを持ち、しし座の方向に124光年離れた位置に存在。以前の観測では、この惑星の大気中からメタンと
60億年前に形成された太陽系外惑星を取り巻いている、水を豊富に含む大気をハッブル宇宙望遠鏡(HST)で検出したとする研究結果が発表された。この系外惑星は、太陽系からわずか97光年の距離にある。 米航空宇宙局(NASA)によると、この系外惑星「GJ 9827d」は、直径が地球の約2倍で、太陽系の海王星と金星の両方と共通点がある。大気中で水蒸気が検出された系外惑星としては、これまでで最も小さい。 画期的な出来事 うお座の方向にあるGJ 9827dでの水の発見は、画期的な出来事だ。今回の研究結果を発表した天文学者チームの1人で、独マックスプランク天文学研究所の太陽系外惑星大気物理学部門を統括するローラ・クライドバーグは、プレスリリースで「これにより、真の地球型惑星の特徴の解明に、かつてないほど近づくことになる」と述べている。今回の水蒸気の検出によって、銀河系内に存在する水が豊富な惑星に関する理解
ヘリウムの尾を形成するWASP-69bの想像図。今回の研究は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の博士課程の学生Dakotah Tyler氏らによるものです。Image Credit: W. M. Keck Observatory/Adam Makarenko 地球から160光年の距離にある太陽系外惑星WASP-69bが、およそ56万kmにもおよぶ「尾」を形成していることがわかりました。ヘリウムからなる尾は、少なくとも惑星半径の7倍まで広がっているとのことです。 WASP-69bの公転周期はわずか3.9日。主星から非常に近いため極端な放射にさらされて大気が流出しています。研究チームはハワイにあるケック天文台のNIRSPEC(近赤外線分光器)で観測を行い、惑星が大気を放出して尾が伸びるようすをとらえました。 WASP-69bの質量は木星の30%程度ですが、主星からの熱により膨張する
(小谷太郎:大学教員・サイエンスライター) 2023年11月29日、米国シカゴ大、東京大学などの研究者からなる国際チームが、共鳴し合う六つ子の惑星を発見したと『ネイチャー』誌に発表しました(※1)。 なんだかすごい成果のようですが、これはどこに一番驚けばいいのでしょうか。惑星とはどうやって見つけるものなのでしょうか。それが六つ子とはどういうことでしょうか。惑星が共鳴し合うとは何が起きているのでしょうか。 驚きのポイントを解説するとともに、ついでに400年前の天文学者ケプラーについて紹介しましょう。ついにケプラーの夢が成就したのです。 見つけたり、惑星5500個! 前世紀に学校教育を受けた方なら、「太陽系に惑星は9個あるが、他の恒星に惑星があるかどうかは誰も知らない」と習ったことでしょう。数百年にわたって、人類の知る惑星はこの太陽系に属する数個のみで、遠方の恒星に惑星があるかどうか、知るすべ
【▲ 図1: 典型的なホット・ジュピターの想像図。発見時は常識外れに見られていたホット・ジュピターですが、現在では発見そのものは珍しくないほどの多数派となっています。 (Image Credit: NASA, JPL-Caltech, R. Hurt) 】 恒星から極めて近い距離を公転する「ホット・ジュピター」は多数の恒星に存在することが分かっていますが、太陽はホット・ジュピターを持たない例外的な恒星の1つです。なぜ存在しないのでしょうか? JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宮﨑翔太氏と大阪大学の増田賢人氏の研究チームは、太陽のような年齢の古い恒星にはホット・ジュピターが少ない傾向にあることを突き止めました。これは太陽系にホット・ジュピターが存在しない理由となるとともに、太陽と似た恒星の中では、太陽系がそれほど少数派ではない可能性を示唆しています。 【▲ 図1: 典型的なホット・ジュピター
【▲ 図1: ペガスス座51番星bの想像図。世界で初めて見つかった恒星の周囲を回る惑星は、太陽系しか知らなかった私たちには常識外れなため、大きな衝撃を与えた。 (Image Credit: NASA / JPL-Caltech) 】 これまでに発見されている「太陽系外惑星」の多くを占める「ホットジュピター」と呼ばれるタイプの惑星は、その形成過程が注目されています。これまで、ホットジュピターは “孤独” であり、同じ惑星系に他の惑星は存在しないと考えられてきました。しかし今回、安徽師範大学のDong-Hong Wu氏などの研究チームは、ホットジュピターが存在する惑星系の12%には別の惑星も存在する可能性があることを示しました。この成果は、ホットジュピターを含む全ての惑星の形成過程を考える上で影響を与える可能性があります。 【▲ 図1: ペガスス座51番星bの想像図。世界で初めて見つかった恒星
【▲ 図1: 論文著者らがMidjourneyを使用して生成した、液体の水を保持する衛星の想像図。(via: Origins-Cluster)】 通常の文脈で “惑星” という単語が出た場合、それは恒星など何らかの天体の周りを公転する天体を指します。しかし、宇宙にはどの天体の周りも公転せず、単独で宇宙空間をさまよっている惑星も見つかっています。これを「自由浮遊惑星」 (※) と呼びます。 ※…Free-Floating Planet (FFP) 、Rogue Planet。浮遊惑星、はぐれ惑星とも。 自由浮遊惑星は恒星からエネルギーを受けていないので、崩壊熱をもたらす放射性元素が豊富に含まれているなど何らかの条件が整っていない限り、その表面は冷え切っているはずです。私たちが知る限り、生命には液体の水が必須であるため、このような天体には生命が存在するとは思えません。しかし、自由浮遊惑星の “
ポイント 宇宙望遠鏡と地上望遠鏡による世界的な連携観測によって、新たな太陽系外惑星(系外惑星)LP 791-18dが発見された。 LP 791-18dでは木星の衛星イオのような活発な火山活動が想定される。 LP 791-18dはハビタブルゾーン(生命居住可能領域)の内側境界付近にあり、大気を保持する可能性があるため、生命誕生の起源を探る研究にとって興味深い惑星として注目される。 東京大学 大学院総合文化研究科の成田 憲保 教授(自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンター 客員教授)、福井 暁彦 特任助教、森 万由子 特任研究員らが参加する国際研究チームは、宇宙望遠鏡と地上望遠鏡による観測を組み合わせた研究により、およそ90光年先にある赤色矮星(わいせい) LP 791-18の周りに地球サイズの系外惑星LP 791-18dを新たに発見しました。この惑星dは、外側の隣接する軌道を公転する大
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