難民支援協会に常備された保存食。資金がつき食事もとれない難民に、温かい食事を提供している。魚の缶詰、みそ汁、カップ麺など、ほとんどがハラル対応だ(撮影/編集部・竹下郁子)この記事の写真をすべて見る 難民なんて自分には関係ない。そう思っている人も多いのではないか。人々を覆うこのムードそのものが、日本の難民支援の貧しさを物語っている。 2015年12月7日、東京都で一人のアフリカ人女性(20代)がシェルターに保護された。女性は母国で望まない結婚と性器切除を強要され、なんとかビザが下りた日本にバックパック一つで逃れてきたという。しかし、母国と日本の物価は、文字通りケタが違う。所持金は数日で底をつき、ホームレス状態に。女性の保護から4日後、東京を季節はずれの豪雨が襲った。アフリカ出身の彼女がまだ路上にいたら、真冬の雨はどんなにこたえたことだろう。 やっとの思いで迫害を逃れたのに、雨を遮る傘もない。