脳しんとうを経験した人は、経験したことのない人に比べ、その後数年間のうちに自殺するリスクが3倍も高いという研究をカナダのサニーブルック健康科学センターの医師らがまとめ、カナダの医学誌「CMAJ」の2016年1月号に発表した。 研究者たちは「脳しんとうの影響を長期にわたってフォローすれば、助かる命を救えるはずだ」と強調している。 すぐ症状が消えるので医師も後遺症を過小評価 同センターのドナルド・レデルメイヤー医師らは、同国オンタリオ州で過去20年間のうちに事故やスポーツなどで脳しんとうを起こした患者約23万5000人の医療記録を分析した。すると、すでに自殺したケースが多くみられ、発症後の数年間のうちに自殺するリスクは一般の人より3倍高いことがわかった。 脳しんとうを起こしてから自殺するまでの平均期間は約6年で、自殺時の平均年齢は41歳だった。過去に自殺未遂や入院、精神疾患などの病歴のない、都