いまも解けない謎 原発再稼働の慎重派が劇的な勝利を収めた新潟県知事選(10月16日投開票)には、いまも解けない謎が残っている。事前に圧勝するとみられていた泉田裕彦知事(当時)が、突然立候補を辞退した理由だ。 告示を約1ヵ月後に控えての出馬辞退は何の前触れもなく、一報をキャッチした地元マスコミは騒然となった。 出馬を辞退した理由について、泉田氏は「県の第3セクター事業をめぐる報道で、地元・新潟日報が誤報を繰り返し、訂正を申し入れても黙殺される。私が候補者でいると、知事選で本来議論されるべき原子力防災などが争点にならない」などと説明した。しかし、その出馬辞退理由を額面通りに受け止めた人は少ない。 私は泉田氏の真意を聞きたいと思い、9月初めから、新潟市内にある県知事公舎や東京都内で計5回7時間にわたり泉田氏にインタビューし、新潟県内の関係者にも取材した。 立候補をとりやめた背景に何が渦巻いていた