南西諸島の地対艦ミサイル防衛網を強化するため、陸上自衛隊が九州・沖縄で進める部隊再編計画の全容が判明した。部隊を統括する「西部方面特科隊」を「第2特科団(仮称)」に格上げして司令部機能を拡充した上で、2024年度までに各300人規模の地対艦ミサイル2個連隊を創設。大分、沖縄両県に配置する方向で調整している。 【地図】陸上自衛隊の地対艦ミサイル防衛網…湯布院駐屯地では第8連隊を新設 防衛省幹部によると、火力は現在の約3倍に増強される。射程1000キロ超に伸ばした改良型ミサイル「12式地対艦誘導弾」を配備する構想もある。陸自大分分屯地(大分市)では弾薬庫の増設に着手し、将来的に9棟を整備する方針だ。九州と沖縄を一体化した広域防衛網を完成させることで、海洋進出の動きを強める中国軍などをけん制し、抑止力を高める狙いがある。