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ブックマーク / moroshigeki.hateblo.jp (14)

  • 「電子書籍のつまらなさ」ではなくて「電子書籍をめぐる議論のつまらなさ」 - moroshigeki's blog

    先日、電子書籍をめぐる議論のつまらなさ - もろ式: 読書日記というエントリを書いたのだが、はてブやTwitterなどでの反応を見ていると、ちょっと誤解を生じてしまったようである。私は、今のインタラクティブ性のない(紙の書籍の延長線上にある)電子書籍がつまらない、と言いたいのではなく、電子書籍をめぐる現在の日での議論がつまらない、と言いたいのである。 言うまでもないことだが、電子書籍おもしろさ/つまらなさは、インタラクティブ性の有無とは関係がない(実際、『ユリイカ』の原稿でもほのめかしたことであるが、80〜90年代の様々な試みは一発芸的で、冷静に考えるとつまらないものが多かったようにも思う)。おもしろい作品は紙だろうと電子だろうとおもしろいし、つまらないものはどんなに先進的な技術を使っていてもつまらない。各メディアの特性を使っておもしろい作品を作る人はいるが、誰もがそのメディアを使えば

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    FeZn
    FeZn 2012/03/29
  • 「これがあれを滅ぼすだろう」2.0 - moroshigeki's blog

    2002年3月、漢字文献情報処理研究会メールマガジンに「これがあれを滅ぼすだろう」というコラムを書いたことがある(http://www.jaet.gr.jp/mag/005.txt)。ちょっと長いが全文(一部改変)引用してみよう。 「いやはや、あなた、世も終わりですな。学生どものあんならんちき騒ぎは、生まれてこのかた見たこともありませんよ。近ごろのろくでもない発明とやらが、何もかもだいなしにしちまうんですよ。大砲だの、セルパンチーヌ砲だの、臼砲だの、とりわけドイツからはやりだしたあのやっかいな印刷術だの。もう写もいらん、もいらん! てわけです。印刷術は屋殺しですよ。いよいよ世も終わりですなあ」 冒頭から引用で恐縮ですが、これはヴィクトル・ユゴーの小説『ノートル=ダム・ド・パリ』 で登場人物たちによって交わされる会話の一部です(『ノートル=ダム・ド・パリ (ヴィクトル・ユゴー文学館)』

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  • 振仮名の歴史 - moroshigeki's blog

    うう、ちびが二人ともインフルエンザで入院してしまった(涙)*1。ということで、付き添いの合間に読書をしていたりするのだが、始終ばたばたしてそれどころではなかったりもする。そんなこんなで読んだうちの一冊がこれ: 振仮名の歴史 (集英社新書) 作者: 今野真二出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/07/17メディア: 新書購入: 1人 クリック: 35回この商品を含むブログ (26件) を見る 平安時代からサザンオールスターズまで、ふりがなの歴史を追いかける。左右のふりがななども、古い写・刊を見慣れている人には割と当たり前のことであるが、そういえばこういう風に手軽に俯瞰できるってなかったよなーとか思いつつ読む。ぜひ『零式』*2のふり〓*3もとりあげていただきたかったが、それは無い物ねだりというもの。 書は単なる衒学的なものではなく、いくつかのキーワードによってふりがなの分類、分

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  • 白川静 漢字の世界観 - moroshigeki's blog

    読んだ。 白川静 漢字の世界観 (平凡社新書) 作者: 松岡正剛出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/11/15メディア: 新書購入: 13人 クリック: 57回この商品を含むブログ (81件) を見る うーん、何だこれ? (^_^;; 売れてるの? 煽り文句は「博覧強記の著者が“巨知”白川静に挑み、その見取り図を示した初の入門書」とのことであるが、梅原猛氏との対談『呪の思想』と、かなりかぶってるような気が。 呪の思想―神と人との間 作者: 白川静,梅原猛出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2002/09メディア: 単行 クリック: 2回この商品を含むブログ (19件) を見る それはおいておくとしても、このが、結局白川静氏の何をアピールしたいのかよくわからない。個人的に、白川静氏の業績において評価すべき点は、「口」が“サイ”であることを発見した!みたいな実証?的な部分ではなく

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  • 携帯電話の絵文字のUnicode登録をめぐる議論の動向 - moroshigeki's blog

    「第2回ワークショップ: 文字 ―文字の規範―」において、「携帯電話の絵文字のUnicode登録をめぐる議論の動向」という題でしゃべってきた。その時スライドに書いたりしゃべったことを、以下にメモしておく。 はじめに 問題の所在 2008年12月、Googleが日の携帯電話の絵文字をUnicodeに登録するための提案を発表したところ、Unicodeのメーリングリスト上で激論が発生した(1ヶ月で600通超)。この議論の中で、しばしば反対意見の中で「規範」を持ち出した意見が出ていた。したがって、ワークショップのテーマである「文字の規範」を考えるネタとして、おもしろいのではないかと思う。 おことわり 以下の議論の概観は、メーリングリスト(Unicode Public Email List、Google グループ)をもとにしているが、細かい議論を端折ったり、時間が離れた議論をくっつけたりしている

  • 第2回ワークショップ: 文字 ―文字の規範― - moroshigeki's blog

    2月7日、国立国語研究所で開催される下記のイベントでしゃべります。 プログラムはこんな感じ: 13:15-13:30 基調報告  當山日出夫(立命館大学グローバルCOE) 「景観文字と字体規範−「祇園」のその後−」 13:30-14:00 発表(1)  小形克宏(フリーライター) 「表外漢字における略字体の普及と衰退」 14:00-14:30 発表(2) 小池和夫(築地電子活版) 「JIS X 0213 漢字の選定規準とその問題―JIS X 0213では漢字の選定については,区点位置詳説を掲載していない。選定にあたってはWGで長時間の議論が行なわれたが,最終的に選定の規準を確定することはできなかった。十年一昔というが,選定から10年を経た今,選定にあたってWGでどのような議論があったのか,いくつかの実例を示して検証してみたい。―」 14:30-15:00 発表(3)  狩野宏樹(イワタ)

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    FeZn
    FeZn 2009/01/30
  • 聖徳太子論の見直し - moroshigeki's blog

    石井公成さんより、聖徳太子関連の新聞コラムのコピーと論文抜き刷りをご恵贈いただきました。ありがとうございます。 石井公成「聖徳太子論の見直し」(1)〜(10)(『佛教タイムス』第2327〜2336号、2008年10月9日〜2009年1月1日) 石井公成「三経義疏の語法」(『印度学仏教学研究』第57巻第1号、2008年12月) 後者については、下の「(7) 三経義疏は中国製か」と内容がかぶるし、そのうちネットで読めるようになるので、前者について簡単に梗概をメモっておこう(以下のメモでは、石井さんの発言と私の発言が混ざっているので注意)。つっこみ大歓迎(私の勉強になるので (^_^;;)。 (1) 聖徳太子はいなかった? シリーズ全体の導入:「実在したのは厩戸王という一人の王族にすぎず、聖徳太子と聞いて頭に浮かぶような聖人のイメージは、720年に完成した『日書紀』の最終編纂段階で作り出された

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    FeZn
    FeZn 2009/01/04
  • Emoji登録をめぐる議論の論点 - moroshigeki's blog

    卒論の添削を二送り返した。けっこうしんどいなぁ。ぜーぜー。まあ、添削依頼が来なけりゃ来ないで気を揉むんだが。 ところで、Emoji: Public Review December 2008 (Unicode Symbols)が公開され、12月18日に同名のメールがUnicodeのメーリングリストに流れて以来、すでに200以上のメールが同メーリングリストに流れ、議論が盛り上がっている。ちなみに日人の投稿者は多分ゼロ*1。自分のことを棚に上げて言えば(いずれコメントすべきことがあったらしてみたいと思ってるけど)、日発の絵文字のUnicodeへの登録がGoogleによってなされ、日人以外の人々によって盛んに議論されているこの現状は、たいへん興味深い。 この間の議論を見ていると、いくつかの論点がある。大きな論点としては: 特定のランドマーク(富士山、東京タワー、自由の女神など)や特定の国

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  • 人工衛星のまなざし - moroshigeki's blog

    ※ 以下の文章は、花園大学の授業「情報と社会」の補足みたいなもの。表象としてのコンピュータ(表象としてのコンピュータ (1) - moroshigeki's blog、表象としてのコンピュータ (2) - moroshigeki's blog、「表象としてのコンピュータ」に関するアンケート - moroshigeki's blog)関連。 下の図は、『ゴルゴ13 144巻 神の耳エシュロン』の24ページである。 ゴルゴ13 144 (SPコミックス) 作者: さいとうたかを出版社/メーカー: リイド社発売日: 2007/04/05メディア: コミック クリック: 7回この商品を含むブログ (10件) を見る 右上のコマに高速道路を走る自動車が描かれており、それを「撮影」しているカメラがずーっと引いていき(左上)航空写真のようになって(右下)最後に人工衛星が描かれる。前後を読めばわかるが、こ

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    FeZn
    FeZn 2008/11/05
  • 捏造された聖書 - moroshigeki's blog

    『捏造された聖書』 - leeswijzer: boeken annex van dagboekで紹介されているのを見て読んでみたが、なかなかおもしろいであった。 捏造された聖書 作者: バート・D.アーマン,Bart D. Ehrman,松田和也出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2006/05メディア: 単行購入: 5人 クリック: 40回この商品を含むブログ (22件) を見る スキャンダラスな、あるいはオカルトな連想を招く邦題であるが、原題はMisquoting Jesus: The Story Behind Who Changed the Bible and Why (Plus)で、書いた人はバリバリの文献学者。の内容も、聖書の伝写とそれを復元しようと試みた聖書学者のお話。全体として著者の立場が「テキストを読むということは、必然的に、テキストを改変するということなのだ」(p

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    FeZn 2008/09/14
  • 「ワークショップ: 文字 ―(新)常用漢字を問う―」御礼 - moroshigeki's blog

    「ワークショップ: 文字 ―(新)常用漢字を問う―」レポートにも書きましたが、花園大学でこれだけの豪華メンバーの方々(私を除く)にしゃべって頂くことができ、ありがたく思っています。 私の発表は、最近マイブームの「笑い男事件」*1のDVDを一部流したりして、きわめてKYなダメダメなプレゼンだったと自覚しています (^_^;; ああ、穴があったら入りたい。 *1:[asin:B0009XTEIM:detail]

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  • 文字はこうして生まれた - moroshigeki's blog

    昨日届いたのでまだ読んでないが、とりあえずご紹介。 文字はこうして生まれた 作者: デニスシュマント=ベッセラ,Denise Schmandt‐Besserat,小口好昭,中田一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/05/28メディア: 単行 クリック: 4回この商品を含むブログ (5件) を見る 物品の出納管理に使われたトークンと呼ばれる粘土製の計算具が、文字(楔形文字)の起源であると主張するの翻訳。コンプレックス・トークン→線描絵文字→楔形文字という発展の仮説を提示している。従来の絵(具象)から文字(抽象)ができた(絵文字→アルファベット)という仮説をくつがえすような仮説、なのかも(読んでないのでわからない)。文字の起源が会計システムということで、翻訳をしたのは会計学の先生である。原書はこれ: How Writing Came About 作者: Denise Schm

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  • ふり漢字/ふり英字/ふり〓 - moroshigeki's blog

    ここ数年、京大人文研の安岡孝一さんが班長をしている共同研究班に参加させてもらっているのだが、最近そこで(報告書類を作る関係で)変なルビの例が欲しいということになった。ちょうどそのころ『零式』*1を読み終わったころで(id:moroshigeki:20080105:1199543905)、変なルビをさんざん目にしていたところだったので、適当にスキャンして送ってみた。 まず、ふり漢字とふり英字の例(“ふりがな”“フリガナ”のようにruby textのscriptとあわせる慣例があるとすれば、“振漢字”“FURI-EIJI”などとすべきか): 関係ないが、「カルト」というルビは「宗教右翼」全体にかかるべきだ、という意見が研究班にあったことを付け加えておく (^_^;; 研究班では紹介できなかった“ふり〓”の例がこれ: なぜ〓がふられるのかはネタバレになるので詳しくは書かないが、要するにノイズとい

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    FeZn 2008/02/14
  • 「花園明朝」公開! - moroshigeki's blog

    フリー(自由)な漢字フォント「花園明朝」(略してハナミン)がようやく公開されました。関係者の一人として大変うれしく思います。 http://fonts.jp/hanazono/ まだいろいろ不具合(Mac OS Xで使えないとか)がありますが、ご利用頂ければ幸いです。ヒラギノ明朝のひらがなと組み合わせると、なかなかきれいです。 元々はCHISEプロジェクトの一環として開発されていたKAGEシステムを充実させようということで始まりました。CHISEは文字コードに依存しない、まったく新しい文字処理(書記)システムで、足りない文字があったらその場で文字が作り出せるという特徴を持っています。KAGEシステムは、漢字のパーツの組み合わせ(例えば「草冠+車+龍」みたいなもの)を与えると、自動的にそのフォントを作ってくれるシステムで、CHISEには欠かせないものなのですが、個人で開発していたこともあって

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