テレビやエアコンなど身のまわりの家電を脳からの信号だけで操作する――。そんな仕組みを、国立障害者リハビリテーションセンター研究所の神作(かんさく)憲司・感覚認知障害研究室長らが開発した。両手足や首、眼球が動かない人たちが、より自由に活動できるようになるかもしれない。 仕組みはこうだ。まず、使いたい家電を意味する図柄を印刷した紙を家電の近くなどに置く。家電を操作する人は、脳波を拾う電極がついた帽子をかぶる。帽子には、小型のカメラとディスプレーがついている。 カメラが図柄を認識すると、ディスプレーにその家電に対応した操作パネルが浮かび上がる。「スイッチを入れる(ON)」「音量を上げる」などのボタンを注視すると、脳波計が脳波を拾う。コンピューターが、操作者がどのボタンを見ているのかを解析。目的にかなった赤外線信号が出て、家電が作動する。 仕組みは一見複雑だが、操作者がパネルのボタンを注視し