県内に現存する最古級の図書館建築とされる「旧鎌倉図書館」(鎌倉市御成町)が取り壊しか保存かで揺れている。鎌倉市は老朽化を理由に取り壊しの予算を決めているが、取り壊しに反対する市民グループ「図書館とともだち・鎌倉」などは反発、十七日にチャリティーコンサートを開催し、保存を訴える。 (草間俊介) この旧図書館は、鎌倉ゆかりの銀行家の間島弟彦・愛子夫妻の寄付で、一九三六年に完成した。木造二階建てで、市が所有する。七四年まで図書館として使われていた。場所は鎌倉市役所に隣接し、閉館後は教育、福祉関係の用途に使用されてきた。市は今年三月、老朽化が激しいとして閉鎖し、取り壊すために、周辺の建物を含めた解体費用約二千九百万円を本年度予算に計上している。 市民グループが専門家に調査を依頼したところ、閉架式書庫や婦人閲覧室などが設けられ、当時の公共の図書館建築の様子をうかがえる貴重な建築であることがわかった。