ウェブに存在する自殺サイトからインスピレーションを受けたという冲方丁のミステリー『十二人の死にたい子どもたち』(文春文庫、2018年)が、堤幸彦監督で映画化される(今年1月25日公開)。 12人の死にたい中高生たちが自殺サイトを通じた「集い」をするため廃病院で待ち合わせ、睡眠薬で眠りながらの練炭による一酸化炭素中毒で集団自殺を計画するという設定だ。 そこで、子どもたちが発見したのは13人目の「生あたたかい死体」。廃病院内に殺人者がいるのか、それとも自殺志願者のなかに隠れているのか、とサスペンスは密室ゲームのように進行していく。 近年ブレイクした若手俳優が数多く(つまり13人キャスト)出演するのでメディアでも話題になっている映画だ。 わたしが宣伝文句を見て気になったのは、ここでの集団自殺計画が「安楽死」という言葉で表現されていたことだ。 安楽死「先進国」オランダやベルギーで現在、未成年の安楽