生徒の問題にひたすら苦悩する中学教師を描く『鈴木先生』(既刊1巻、双葉社、漫画アクション連載)が話題だ。およそヒーロー性と無縁な鈴木先生の姿は、現実の教育現場の厳しさを映しているのかも?(石田汗太) つらくなる重さ 鈴木先生の「魅力」は、なんと言っても、その痛々しいまでの悩みっぷりにある。第1話の「げりみそ」では、女子生徒の給食を邪魔する男子生徒の「心の謎」について、本格ミステリーばりの推理をめぐらせる。第2話「酢豚」では、給食の献立から消えそうになったメニューを、たった一人の生徒のために守ろうと奔走する。 こんな鈴木先生だから、心の休まるヒマはなく、恋人とのデートもままならない。今どきのマンガにしては絵も重く、読んでいてつらくなるほどだが、それがかえってブログなどの書評で評判となり、『このマンガがすごい! 2007・オトコ版』(宝島社)で4位にランクインするなど、異色の教師マンガとして