化学物質過敏症で悩んでいる人は推定で100万人いるという。20代から50代の主婦に増えていて、香りの柔軟剤など実に多くのものが原因となっている。古村美樹さん(44歳)は26歳の時に高熱で倒れ、車椅子の生活を余儀なくされた。「症状が頭痛、めまい、吐き気、皮膚のただれで、膠原病などさまざまな原因を考え、40以上の病院を転々としましたが、発症から10年目でようやく化学物質過敏症と診断されました」 洗剤、壁紙、スーパーの領収書インクなどでも症状悪化 古村さんの症状悪化させた原因物質は、洗剤や壁紙、スーパーのレジで打たれた領収書のインクなど身近な化学物質で、呼吸困難になったり、数日間寝たきり状態になっていったという。 なぜ多くの病院を周りながら、何年も原因を突き止められなかったのか。化学物質過敏症の専門医・吹角(ふきずみ)隆之氏は、「あらゆる臓器であらゆる症状が出ます。一方、医者は自分の専門分野から