都心の秘境、奇怪な東京、異空間TOKYOをうつした写真集。 「えっ!ここホントに都心?」と疑ったり、ありふれた街がアングルひとつで奇妙な場に変化したり、ページをめくるたびに驚きが並んでいる。けれどもどれも、東京だ。2008年10月から100回にわたり、東京新聞の夕刊に連載した「東京Oh!」を写真集にしたもの。 たとえば「秘境」。東京タワーや高層ビルが目前の干潟に、無数のカニがうごめいているショット。生態系保護のため立入禁止となっている、葛西海浜公園の東なぎさだそうな。六本木ヒルズとカニの大群の組合わせ、ぶっちゃけありえない。「多摩川のヘドロ」が公害の象徴のように教えられた世代のわたしにとっては、目を疑う光景。そういや、通勤途中で東京湾に渡り鳥(?)の群れが羽根を休めているのを目にする。わたしの知らないところで、"自然"が戻ってきているのだろうか? あるいは、「富士見坂」。都心で「富士見坂」