宗教学者の著者が日本の新宗教を10取り上げ、創始者の生い立ちから誕生、その宗教の特徴、なぜ信者を獲得していったのか、現在の状態までを詳細に解説した本。正直、各新宗教は名前は聞いても、内容まではほとんど知らなかったので、非常に勉強になりました。特に創価学会の特徴、二代目戸田氏から三代目池田氏への移り変わりとその違い、公明党と創価学会の関係、日蓮正宗との関係、創価大学とそのエリート養成システムについて知ることができたのがよかったです。 それからもう一つ重要なことが、本書でなぜ日本人が自らを無宗教と思うのかについて「明治に入って、宗教という概念が欧米から導入され、神道と仏教とが二つの宗教に分離されたにもかかわらず、日本人は、片方の宗教を選択できなかったため」としており、さらに「近代の日本社会において、新宗教ということが問題にされるようになるのも、無宗教という意識が広まったことと関係している。国民