9月は自民党総裁選にメディアが乗っ取られる。もちろん本誌には「自民党劇場」を実況中継する使命もないし、そのつもりもない。そもそも、ドロドロの派閥抗争や騙しと裏切りの末のどんでん返しに深い意味があるのだろうか。 野党が求める臨時国会の開催のほうが私たちの生活にとっては重要だろう。やりたいところはドーゾ。しかし、とはいっても、総裁選の行方が世の中を左右することは間違いない。だから違う視点で取りあげようと試みる。そうすると悩むのが表紙選定だ。 他のメディアに高頻度で露出するのは、派閥首領と候補者の顔顔顔。人の顔はアイキャッチだから……。かりに本誌に候補者の顔をでかでかと載せようものなら、クレームが殺到するだろう。「見たくないものを見せられて苦痛」「恥ずかしくて外で本誌を開けない」「趣味が悪い」等々。 悩みに悩んで、今号の表紙は同性婚訴訟の記事から取った。レインボーカラーのマスクをした方々が自民党
9月は自民党総裁選にメディアが乗っ取られる。もちろん本誌には「自民党劇場」を実況中継する使命もないし、そのつもりもない。そもそも、ドロドロの派閥抗争や騙しと裏切りの末のどんでん返しに深い意味があるのだろうか。 野党が求める臨時国会の開催のほうが私たちの生活にとっては重要だろう。やりたいところはドーゾ。しかし、とはいっても、総裁選の行方が世の中を左右することは間違いない。だから違う視点で取りあげようと試みる。そうすると悩むのが表紙選定だ。 他のメディアに高頻度で露出するのは、派閥首領と候補者の顔顔顔。人の顔はアイキャッチだから……。かりに本誌に候補者の顔をでかでかと載せようものなら、クレームが殺到するだろう。「見たくないものを見せられて苦痛」「恥ずかしくて外で本誌を開けない」「趣味が悪い」等々。 悩みに悩んで、今号の表紙は同性婚訴訟の記事から取った。レインボーカラーのマスクをした方々が自民党
7月20日の夜、東京の吉祥寺に出かけた。合唱団ブレーミアのライブを見に行くためだ。会場に向かう途中、雷が鳴り大雨が降り出した。小さな折り畳み傘はほとんど役に立たず、会場に到着した時には結構濡れていた。で、一曲目は「雨ニモマケズ」(マジか)。あの宮沢賢治の有名な詩をアメージンググレースの曲に乗せて歌った。ライブは「雨にも負けず」行った甲斐があった。一般的に抱く合唱団のイメージとは異なる。「世界中の歌の中から探し出し、自分たちで訳詞・編曲して歌う」(公式サイトより)。この日も、「涙そうそう」など日本の曲の他、「Hey Jude」や「My Way」なども披露された。それが全部ブレーミアのオリジナル訳詞だから面白い。ゲストのミラクル・オブ・ビーイングの歌と演奏も素敵だった。メンバーの一人、松井良輔さんは『週刊金曜日』の愛読者だ。前編集長の小林和子に誘われて行ったが、ファンになった。大阪と東京で開催
校庭のテントの下で「反貧困」のグッズを販売していた主催者メンバーの表情がとてもよくて、そのことをもう一度書いておきたい。昨年暮れにNHKの『ワーキングプアⅢ』を見たときの感動が再び涌き上がってきた。500円のハンドタオルを買い、千円札を出して500円のお釣りを受け取ったのだが、そのときの若い女性の真剣な眼差しが、震えるような祈りと願いを漂わせたもので、忘れられない印象を刻みつけたからである。日本人は中産階級の生き方をしているときが一番美しい。その中産階級としての生き方を剥奪された現在の日本人がある。けれども、人間は奪われたものを回復しようとしたとき、その本来の美しさを人間性として回復する。奪い返すものは人間としての尊厳。テントの下でボランティアで働いていた若いメンバーの姿に中産階級の日本人の美しさが神々しく甦っていた。人間の尊厳に触れる思いがした。 「反貧困フェスタ2008」のイベントを支
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