瓶治郎の現代詩
満を持して自由国民社より『脱貧困の経済学』発売! 『経済成長って何で必要なんだろう』は岡田氏・赤木氏・湯浅氏と各氏の興味に引きつけて経済成長の必要性を語る……という形式になっていましたが,本書はサシの勝負.しかも掲載文の倍以上の話を続けたのでより深いところまで行けたんじゃないかと思います……が,それにしても表紙写真と帯ちょっとはずかしいっす(泣) 脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる 作者: 飯田泰之,雨宮処凛出版社/メーカー: 自由国民社発売日: 2009/08/21メディア: 単行本購入: 36人 クリック: 532回この商品を含むブログ (68件) を見る 雨宮さんの最近の主張を知らない方にとってはかなり新鮮な発言もあると思いますし,雨宮さんの読者で僕を知らないという人*1は経済学者もこんな話をするんだ……と新たな発見をしてもらえるんじゃないかと思います. もちろんいくつかの点では全
岩本康志氏が政府債務の対GDP比の長期グラフをもとに、近年の景気対策を戦争になぞらえるエントリを書いた(池田信夫氏も引用している)。 そこではデータソースも言及されているので、取りあえずインターネットで入手できるものを小生も掻き集め、同様のグラフを描いてみた(データの詳細は後述参照)。 これを見ると、現在の債務残高比率は、第二次世界大戦末期の200%近い水準に近づいている。岩本氏は、このことから、第一次石油危機以降の景気対策を戦争に喩えた。 しかし、ここで注意すべきは、債務残高そのものではなく、その国民所得に対する比率を見ている点である。比率である以上、分子の債務残高だけでなく、分母の国民所得の動向も、当然その数値を大きく左右する。 そこで、内訳を見るため、同比率の各年の変化(対数変化率、%)を、分母の国民所得の変化と、分子の債務残高の変化に分解してみた。 (参考のため、債務残高比率も水色
一昨日のエントリでは、エリザベス女王の質問(どうして誰も信用収縮の到来に気付かなかったのか)に対する英国学士院からの回答を紹介した。 この公開書簡を取り上げたEconomist's Viewでは、FTの関連記事を2つ紹介している。 一つはFT自身の論説記事で、そこでは経済学による予測の難しさを説いている。その点で、ここで紹介したクリス・ディローの主張と似通っているが、ただ、ニュアンスは若干異なっており、ディローのように、そもそも経済学に予測を求めるのは筋違い、とまでは言い切ってはいない。企業、投資家、メディアといった経済学の使い手たちは、そうした予測の困難さをわきまえた上で、自分たちの責任で経済学を使うべきである、というのがこの論説のポイントである。そして、一方の経済学者たちに対しては、ドグマに毒されていない素人の知的好奇心――今回の女王の問いかけのような――をこれまで軽視気味だったが、今
昭和恐慌研究会というよりもすでに平成恐慌研究会に名称変更した方がいいような気がする。さて『昭和恐慌の研究』のメンバー「昭和恐慌研究会」の面々の今年になってからの書籍ベースでの本を紹介。学生のみなさんをはじめ、夏休み後半の読書にどうでしょうか? 1 岩田規久男『日本銀行は信用できるか』 岩田先生の新作であり、入魂の日本銀行論。日本銀行の組織、政策などを批判的かつ包括的にとりあげたもの。後で別エントリーで内容紹介予定 日本銀行は信用できるか (講談社現代新書) 作者: 岩田規久男出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/08/19メディア: 新書購入: 10人 クリック: 163回この商品を含むブログ (73件) を見る 2 若田部昌澄『危機の経済政策』 若田部さんの久しぶりの単著での新作。30年代の世界恐慌、戦後のインフレ不況、日本の大停滞、そして今回の経済危機までの4つの危機の失敗から
もうなんだかな感いっぱいなので以下に確認した事実のみ指摘。 少なくとも2006年いまから3年も前にすでにマンキューはクルーグマンの98年論文を読んでてそれを参考文献に掲示してマクロ経済学の教科書を書いている。最近もこれに関して、hicksianさんが訳している彼のブログでこのクルーグマンの論文に触れている。以下、hicksianさんところhttp://d.hatena.ne.jp/Hicksian/20090814#p1から引用 ●Greg Mankiw, “The Next Round of Ammunition”(Greg Mankiw's Blog, December 16, 2008) Update: A reader points out to me that Paul Krugman seems miffed that I failed to cite his contribu
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