この本は、多くの人が2月のうちにも読み終わって本書についてのなんだか高度な議論(と図表の多い書物の宿命である誤植退治)に突入していきました。 私も本が出てすぐ書店に注文して入手したのですが、みなさまの議論をよそに、なかなかこの本に立ち向かう十分なまとまった時間がとれず、細切れにだらだらといきつもどりつ読んできました。*1 遠距離の出張の度に持ち歩いていたので、カバーがだいぶくたびれました。 読むのにとても時間がかかった理由の一つは、本書には公開されたデータがふんだんに用いられ、図表などの資料はかなりの部分、読者自らが確かめられるものだということ。 だれでも本書の著者の論じる所をデータにさかのぼって調べ、検証できる。 その事で議論の公正さがおおいに担保されているのは素晴らしい美点だとおもいます。 ところが、同時に片岡氏のナビゲーションでこの20年の経済をタイムトラベルできる優秀なガイドブック