現代もまた、鉄道という交通機関にとっては「曲がり角」とでも呼ぶべき時代であるのかもしれない。輸送需要はめまぐるしく変化を続け、運行に大規模なインフラを要する鉄道の運営を難しいものとしている。 そのような中で、社会情勢の変化に取り残されたかのような形で、姿を消してゆく路線、車両も少なからず存在し、利用者を悲しませている。2019年11月には、上野動物園の中を走っていたモノレールが休止となった。営業距離こそわずか300mという短さながら、上野動物園になくてはならない存在だったはずのモノレールは、このまま姿を消してしまうのだろうか? 上野に不可欠となったモノレール 上野モノレール。正式な名称は東京都交通局上野懸垂線。上野動物園の中を走る路線延長0.3kmの路線である。開業は1957年12月17日のこと。実はこの日に東京では、国鉄の新形通勤電車101系(当時の形式名はモハ90形)の営業運転が開始さ