私のこだわりの撮影テーマである「雫のプリズム」。 透明な雫が、色鮮やかな宝石へと変わる瞬間です。 最近ふと読み返した、宮沢賢治の短編『十力の金剛石(虹の絵具皿)』に通じるものがあるな、と感じました。私は子どもの頃から宮沢賢治は愛読していますが、この作品は久々に繙いたかと思います。 とある国の王子さまが霧の朝に、仲良しの大臣の子と一緒に、自分たちの持っている宝石よりももっと素敵な宝を探そうと出かけます。彼方の森にかかる虹の足元にあるという「ルビーの絵具皿」、さらに素晴らしいだろう金剛石(ダイヤモンド)を探して森に分け入っていった2人は、不思議な歌を歌う蜂雀(=ハチドリ)に導かれて、こんな壮観に出会います。 その宝石の雨は、草に落ちてカチンカチンと鳴りました。それは鳴るはずだったのです。りんどうの花は刻まれた天河石と、打ち劈かれた天河石で組み上がり、その葉はなめらかな硅孔雀石でできていました。
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