何者かになりたい 作者:熊代亨 イースト・プレス Amazon 僕は何者にもなれていない。そう感じるようになったのは30代に差し掛かったころだった。仕事はある程度充実していたが、本来望む仕事ではなかった。そのころにはどうして自分がこんなことをやっているのか、僕にふさわしいことがあるんじゃないかって、模索していた。夜遅くまで専門書を読み返し、自分の気持ちを落ち着かせる日々。自分が存在している理由すらわからなくなり、将来に絶望し、連日酒におぼれた。 転機が訪れた。異動を伴って大きく、仕事が変わった。今度は望む仕事だった。一生懸命に精一杯頑張った。そのころにはなぜ僕はこんなことをやっているのか、という気持ちはいつの間にか消えていた。周りの進捗状況や、世の中の移り変わりもあまり気にしなくなっていた。本すら読まなくなり、それよりも専門書を読むことや仕事をやることだけを考えていた。仕事に対するアイディ
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